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NYの視点:ポンド底入れ観測強まる


欧州連合(EU)離脱協定案に関する下院採決で230票という歴史的大差で敗北した英国のメイ首相は16日、議会が実施した不信任投票に直面した。辞職を求める声も強まる中、不信任決議案は否決され、かろうじて乗り切り、続投が決まった。

格付け会社フィッチは離脱案での政府の敗北は英国の欧州連合(EU)離脱をより不鮮明にしたほか、短期的な政治混乱が不透明感を強めると警告。また、合意ない離脱の影響は不透明だが、英国経済が1990年代初期のような景気後退に陥る可能性を警告した。

一方で、市場関係者はポンド相場の底入れ感を強めつつある。理由として、1)政府の大敗は織り込み済み、2)採決の結果を受け、議会の権限が強まり、欧州連合(EU)基本条約(リスボン条約)50条の交渉期間延長で合意ない離脱を回避する確率が高まる、2)メイ政権はかろうじて続投、が挙げられる。

JPモルガンのダイモンCEOは、「万が一、ハードブレグジットとなった場合は惨事となる可能性がある」と警告したが、「その可能性は少ない」との考えを示した。英国中央銀行のカーニー総裁も「下院採決後の金融市場の反応は3月29日に英国が合意ない離脱に陥る可能性が少ないことを反映している」と楽観的な見方を示した。

《CS》

 提供:フィスコ

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