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藤井知明氏【2017年最終コーナー、注目銘柄・注目セクターは】(2) <相場観特集>


―2万2000円台の往来どこまで続く、“強気・弱気”どちらで臨む

 週明け27日の東京株式市場は、朝方はリスク選好ムードで始まったものの、寄り後は日経平均株価の上値の重さが露呈、前場後半から売り優勢の地合いに変わった。欧米株高に牽引される形で上値追い態勢が続く日本株だが、足もとは買い疲れ感も意識される場面。2017年相場も師走が目前でいよいよ大詰めを迎える。確度の高い市場予測で定評のあるマーケット関係者3人に年末相場を占ってもらった。

●「米株高見込め年末に向け一段の上昇も」

藤井知明氏(あかつき証券 投資調査部長)

 東京株式市場は、12月の年末に向け一段の上昇が期待できるとみている。

 足もとの日経平均採用銘柄ベースの1株当たり利益(EPS)は1520円前後の水準にある。これをPERで14.5~16倍程度へ買ったとして、当面の日経平均のレンジは2万2000~2万4000円前後を見込む。

 日本株上昇のきっかけとなるのは、米国の株高だろう。米税制改革案に対する不透明感が、市場の警戒を呼んでいるが、来年の米中間選挙を視野に入れれば、共和党は税制改革案の成立に向け、結局は折り合う展開が予想される。年内にも米税制改革案の成立に向けた動きも期待でき、米国株高に後押しされる格好で、日本株もレンジの上値を試す展開が見込めるだろう。米国株の上昇とともに外国人買いが再度期待できると思う。

 米株式市場はIT関連銘柄が全体相場を牽引してきたが、東京市場で同様の役割を果たすのはソニー <6758> だろう。半導体やゲームが牽引する格好で、業績の大幅な伸びとともに株価も一段の上昇が予想される。また、三菱電機 <6503> も産業メカトロニクスと産業用半導体の成長は評価できる。

 デクセリアルズ <4980> はスマホ向け接着剤などが伸びている。また、半導体関連の小型株では、芝浦電子 <6957> [JQ]やフェローテックホールディングス <6890> [JQ]など。さらに、働き方改革関連銘柄として、仮想デスクトップなどを手掛けるアセンテック <3565> [東証M]にも注目している。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(ふじい・ともあき)
あかつき証券投資調査部長。1985年日栄証券(現SBI証券)入社。1988年から企業調査業務を務める。その後、モーニングスター、高木証券・企業調査部長を経て、2017年に現職に就任。

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