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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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8137 サンワテクノス

東証P
2,241円
前日比
-8
-0.36%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
7.1 0.72 4.24 56.57
時価総額 360億円
比較される銘柄
カナデン, 
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明治電機工業
決算発表予定日

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サンワテクノス Research Memo(8):2025年3月期の営業利益70億円達成に向けた取り組みを開始(3)


■サンワテクノス<8137>の長期ビジョンと中期経営計画

b) より高付加価値な製品と新たなソリューションの提供
より高付加価値な製品と新たなソリューションの提供については、技術戦略の策定による注力分野の特定とリソースの確保、SDX(サンワDX)の策定・推進による業務効率向上と提供価値の向上、グローバルサプライチェーン強靭化のためのソリューション提供の3点に取り組んでいる。

特に、高付加価値製品による新たなソリューション展開については、アライアンス等の実施により外部リソースも有効活用しながら展開していく考えで、2023年10月30日に(株)エムテックと業務提携契約を締結した。(株)エムテックは北九州市に本社を置き、モーション技術や制御技術、プロセス技術、画像処理技術、ソフトカスタマイズ技術等のロボットシステム技術を高度に複合化できるシステム開発力に強みを持つ。今回の提携によって(株)エムテックの技術開発力と同社のマーケティング力を合わせてシナジーを創出し、顧客ニーズにマッチしたロボット分野における技術ソリューションをパッケージ化して商品化し、新たな市場や顧客を開拓する。

具体的には、仮想空間を活用したデジタルマニュファクチャリングを実現する「3D Connectシリーズ」を開発し、その第一弾としてARマーカー※を利用したロボットソリューションパッケージ「AR^2 System(エーアール・ツー・システム)」の販売を開始する。「3D Connectシリーズ」は、3次元CADとロボット等のモーションコントローラーをリアルタイムに連携操作させるプロセスシミュレーター「Planning Simulator」を使って、設計から動作に至る各種機能を持ったモジュールを組み合わせたソリューションパッケージのことで、これによってロボット動作における現実と仮想空間の座標の齟齬が補正され、ものづくりにおけるデジタルマニュファクチャリングが促進される。今回発売する「AR^2 System」の特徴は、ロボットに搭載したカメラがARマーカーを読み取り、自動座標定位を行うことで、高精度にロボットの相対的位置補正が可能になること、ARマーカーに動作条件(レシピ)を埋め込むことで、ロボットに判断選択をさせて動作を指示できることの2点である。ロボットは通常、所定の動作を行うためのティーチングデータを作成して運用する必要があるが、この工程を3次元CADやAR技術を用いて効率的に実現するソリューションとなる。ロボットの運用ノウハウを持たない企業でも、比較的容易に運用が可能になるといったメリットがある。

※ARマーカーとは、現実空間にデジタルコンテンツを重ねて表示できる「AR(拡張現実)」を表示させる目印となるものを指し、画像や顔、建物など様々なものをARマーカーとして活用できる。


ターゲットは、同社が注力分野として挙げている半導体製造装置、ロボット・マウンター、工作機械、車載、設備等の業界で、自動化・省人化ニーズを持つ企業となる。販売は同社が担当し、開発や技術サポートを(株)エムテックで担当することになる。「3D Connectシリーズ」として第2弾、第3弾と今後も商品化を進めていく計画となっており、同社はこれら商品をロボット販売の際に合わせて提案することで差別化を図り、産業用ロボットの受注獲得につなげる戦略だ。

c) サステナビリティ経営による持続可能な社会の実現に貢献
持続可能な社会の実現に向けた取り組みについては、引き続き経営の最重要課題の1つとしてとらえており、社業を通じて社員の教育・育成も図りながら推進する。特に地球温暖化対策として省エネ化や省力化を実現するための電機品や電子部品、設備機械を同社は多く取り扱っており、事業活動を通じて脱炭素社会の実現に貢献する企業としての成長機会は大きいと弊社では見ている。2023年4月には、新たにEMS(エネルギーマネジメントシステム)に特化した拡販をプロジェクト化し始動した。具体的には、メーカーとの協業による独自EMSのシステム提案やリチウムイオン電池の製造用設備ラインの獲得などの商談、カーボンニュートラルに貢献できる製品の拡販、エネルギー(創エネ、蓄エネ、省エネ)に関わる商談などを推進している。

脱炭素社会へのアプローチとしては、環境に優しい製品の販売を通じて2050年度に温室効果ガス排出量(Scope1、2、3)の100倍以上(2020年度比)の排出削減効果を創出していくほか、環境負荷低減に向けた取り組みを継続し、自社温室効果ガス排出量(Scope1、2)を2030年度までに20%削減(2020年度比)することを目標としている。

ダイバーシティ&インクルージョンに関しては、2030年3月期に女性管理職比率10%以上(2023年3月期8.3%)を目標に掲げているほか、DX推進プロジェクトの始動による働き方改革のさらなる推進、社員持株会の加入促進によって社員一人ひとりの業績向上意識や経営参画意識の醸成を図ることで、社員エンゲージメントの向上を図る。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SO》

 提供:フィスコ

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