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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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3489 フェイスネットワーク

東証S
1,818円
前日比
+127
+7.51%
PTS
1,820円
21:57 05/17
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
6.6 2.42 5.28 14.77
時価総額 181億円

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フェイスNW Research Memo(4):土地の仕入から一棟販売まで一括管理するワンストップサービスが強み(2)


■事業概要

3. 特徴・強み
フェイスネットワーク<3489>は、土地の仕入れから設計・施工・賃貸募集・物件管理・一棟販売まですべてを一括して管理する「ワンストップサービス」を提供し、特に自社で設計・施工していることが強みとなっている。一般的な不動産デベロッパーの場合は、不動産会社が土地を仕入れ、設計事務所が設計、工務店が施工、不動産仲介会社が賃貸募集、管理会社が物件管理という分業体制になっていることが多いが、同社の場合は自社内に設計・施工体制を整え、ワンストップですべての工程管理やコスト管理を行っている。この「ワンストップサービス」によって、中間コストの削減が可能となっている。これは不動産オーナーの利益にもつながるため、不動産オーナーに高く評価されており、結果として仕入用土地情報を得やすくなり、多数のリピート受注・販売につながっているようだ。このほかにも、「ワンストップサービス」によって工期の短縮や収益性を高める企画の実行など、様々なメリットを生み出している。なお、2022年3月末時点の従業員の構成比は設計・プランニングが19%、施工が26%を占めている。また、協力会社も活用することで、販売物件の約半分を自社で設計・施工している。

4. 販売件数と受注実績
不動産投資支援事業の過去5期間の販売件数と受注実績の推移については、受注高・受注残高は期ズレなどによって変動する場合があるものの、販売件数はおおむね増加基調で推移している。

なお、同社の自社企画開発物件は、販売形態によって不動産商品及び建築商品に分類している。不動産商品は竣工した時点で新築一棟RCマンション及び中古一棟ビルリノベーションを投資商品として販売する物件、建築商品は新築一棟RCマンション建築予定の土地を先行販売し、設計・請負工事契約を締結して建築・竣工する物件となる。不動産商品は物件の竣工・引き渡しをもって収益・費用を認識しており、建築商品は先行して販売する土地についての引き渡しをもって収益・費用を認識し、請負工事契約については工事の進捗に応じて収益・費用を認識している。これにより、建築商品の場合は土地保有・在庫リスクが軽減されるメリットがある。

5. 管理戸数と入居率
不動産マネジメント事業の過去5期間の管理戸数と入居率の推移については、販売物件数の積み上げに伴って管理戸数は堅調に増加し、入居率も90%台後半という高い水準で安定して推移している。

6. リスク要因・収益特性
不動産デベロッパーの一般的なリスク要因としては、事業用地仕入れ・在庫リスク、建築コスト(建築資材費、外注費)リスク、有利子負債リスク、賃貸管理・家賃保証物件の空室リスク、品質・法規制・訴訟リスクなどがある。個別物件によっては利益率の低い物件があり、さらに景気・金利・地価変動などで事業用地仕入れコストや建築コストが高騰した場合は収益に影響を与える可能性がある。また、投資用商品の場合は投資家の投資マインド変化もリスク要因となる。

事業用地仕入れ・在庫リスクに対して同社は、メインターゲットとする城南3区において一定の知名度を得ているため、当該エリアにおける仕入用土地情報を比較的入手しやすい状況にある。販売に関してはプル型の販売体制を整えるとともに、「ワンストップサービス」が評価されて多数の不動産オーナーからのリピート受注・販売を得ている。さらに在庫リスクを軽減するため、土地を先行販売して設計・施工を請け負う建築商品の比率を戦略的に高めている。

品質リスクに関しては、自社開発物件のさらなる品質・性能・信頼の向上に向けて、2021年5月に第三者試験・検査・認証機関と取引基本契約を締結した。これにより、2021年5月以降に着工する自社開発物件すべてを対象に監査を行う。

なお、季節要因に関しては、竣工・引き渡しが春と秋の転居シーズン(入学・入社・転勤など)に集中する傾向があるため、同社の収益も第2四半期(7月~9月)と第4四半期(1月~3月)に偏重する傾向がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)

《YM》

 提供:フィスコ

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