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3457 AndDo

東証P
1,270円
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100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.6 1.57 3.39 1.06
時価総額 253億円
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決算発表予定日

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ハウスドゥ---好調なハウス・リースバック事業を軸にストック事業への転換を進める!ハウスドゥ安藤社長


 

ハウスドゥ<3457>は9月16日開催のフィスコIR主催個人投資家向けセミナーに参加し、安藤正弘社長がプレゼンテーションを行った。プレゼンテーションの要約内容、およびフィスコリサーチアナリスト飯村真由のライブ社長インタビューの内容は以下の通りである。


【会社概要】

同社は代表取締役社長CEO安藤正弘(あんどうまさひろ)氏が24年前に、京都の向日市で創業。不動産仲介業からスタートした。バブルが崩壊し、他の不動産会社が次々と倒産していった時に独立。「不動産業界はあまり顧客のことを考えていないのではないか」と感じ、「業界を変えたい!」という想いをもって今まで経営してきた。顧客が望んでいることは、たくさんの不動産情報を見せてほしいということ。米国の不動産業界ではすべての情報が公開されており、ある地域の過去数年の取引事例(価格情報を含む)を閲覧することができる。同社は日本でもこのような情報公開を進め、業界を変えていきたいと考えている。


【事業概況・中期経営計画】

不動産売買仲介のフランチャイズ事業が好調である他、4年前に開始したハウス・リースバック事業が非常に好評を博している。また、2016年6月からは不動産担保融資事業を新たに開始した。この3つに注力して、不動産業界がどのような市況になっても適応できるよう強固な事業構造を構築する。

2017年6月期はウエイト転換年度として、ストック事業へさらに投資していく方針。前期2016年6月期の営業利益のセグメント構成比は、ストック事業(フランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、不動産担保ローン事業)が43.4%であったが、これを3年後の2019年6月期(中期経営計画の最終年度)には78.0%にまで引き上げる計画となっている。不動産売買事業、不動産流通事業、住宅・リフォーム事業といった労働集約型のビジネスに比べて、ストック事業はあまり人員を増やさなくても利益が増えていく構造になっている点が魅力だ。

フランチャイズ事業の加盟店数の規模は、ここ5年間で約2倍にまで拡大している。毎月の新規加盟件数を、現在の7~8件ほどのペースから約2倍となる15件程度へと加速させるために今期に投資を行う。(同社は11月1日、10月31日現在の加盟契約数が全国400店舗を突破したことを発表。その構成は、直営17店舗、フランチャイズ383店舗となっている。今後の目標としては、チェーン全体で2020年に700店舗、2025年に1,000店舗を目指している)


【ハウス・リースバック事業】

ハウス・リースバック事業は、自宅を売却後にリース契約(賃貸)に切り替えて住み続けることができるサービス。現在、月間で400件ほどの問い合わせがある。この事業を開始してから約3年が経過し、かなりの手応えを感じている。今後、最も注力していきたい事業として考えている理由は、個人のニーズの高さと競合他社が今のところ存在していない点だ。

一般的に家を売却した場合、持ち家から退去しなければならない。ハウス・リースバック事業は、顧客から「住みながら売却できないのか?」という問い合わせをヒントに商品化した。不動産はあるが手持ちの資金がない方、所得収入がない方、また赤字企業には銀行は融資を出してくれないことが多くあるため、「住みながら売却」というサービスは個人の方には絶大なニーズがある。

また、別のニーズとしては、貸金業者が激減したことがある。この10年間で貸金業者の数は10分の1になり、貸し手のプレイヤーが激減した。貸金業法において「総量規制」が導入されたことにより、個人には年収の3分の1以上の資金を貸し出してはいけない決まり(ノンバンクが対象で銀行は対象外)になった。このような背景から、問い合わせをしてくる顧客は、本当に困っている状況にあることが多く、ハウス・リースバックの商品性が顧客のニーズと合致している。

ハウス・リースバックとは、顧客は「住みながら」持ち家を同社に買い取ってもらえる仕組みで、同社の買取価格は想定売却価格の70%で設定。リース契約切り替え後は同社購入額の8%~10%を年間のリース金額に設定し、それを12分割した金額が毎月の家賃となる。また、将来再売買を希望する顧客には、契約時に再売買金額を決定、その額は同社が買い取りした代金の15%を上乗した金額となっている。再売買の期限を「無期限」としていることも大きな魅力の1つで、家賃を払い続ける限り顧客はずっと住み続けることができる。

一方で、様々な理由により顧客が再売買せずに売却を希望する場合、同社は売却手続きに入る。その際は、当初の買取価格に15%を上乗せした額を同社が受け取り、残りの売却益分については顧客に還元する仕組みとなっている。同社が顧客の持ち家を想定売却価格の70%で買い取りを行うのは資産の保全のためで、その点に関しても顧客の理解を得られており、ハウス・リースバックの仕組みは大きな反響を呼んでいる。

同事業の売上構成は、家賃、物件購入時の顧客からの手数料、物件売却時の売却売上のトリプル構成となっている。ハウス・リースバックの保有件数は、前期2016年6月期の274件から、2019年6月期に1,229件(金額ベースでは172.30億円)へ拡大させる計画で、今後は毎月平均30件ペースで購入していく予定。2019年3月期にはハウス・リースバック事業の売上高32.27億円、営業利益8.28億円を目指していく。(会社全体では、中期経営計画の最終年度である2019年6月期に、売上高162.15億円、営業利益19.09億円、配当性向30%以上を目指す方針)


【不動産担保ローン事業】

ハウス・リースバックに関する問い合わせで成約になるのは8%程度で、成約に至らない残り92%は、「検討したい」「融資を希望」「オーバーローンで抹消ができない」等の理由。これを補うために、2016年6月から不動産担保ローン事業を新たに開始した。これまで担保融資について多くの問い合わせがあったため、貸金業者の免許を取得し金融事業をスタートしたが、ハウス・リースバックと不動産担保ローンはとても相性が良く、この2つのサービスにより顧客の囲い込みができている。また、実際に事業を開始してみると、不動産担保融資のプレイヤーが少なかった。貸金業者の激減の背景もあり、ネットからの問い合わせが次々と寄せられている。借入れはないものの資産と収入がないために銀行に融資を断られたという顧客からの問い合わせが多い状況となっている。


【ハウスドゥの強み・戦略】

同社の強みは「正当な市場評価」、「不動産の管理」、「不動産の処分」、「全国対応できるネットワーク」が挙げられる。この強みを活かして金融サービスと不動産のコラボレーションの事業展開に打って出る戦略を考えている。


【Do!BANK(ドゥ!バンク!)始動】

この延長線上で考えたのが、フィンテックを活用した「ハウスドゥ!BANK」構想である。同社が不動産物件を査定して、その査定額の70%程度を融資可能額として設定して、銀行に融資可能額に貸付けてもらう。万が一、返済が滞った場合は同社が不動産の処分をする。具体的な仕組みとしては、スマートフォンアプリ上で人工知能を使って即時に査定(1分査定)をして、1日から借入れができるようにする。数千万円単位での借入れを可能とし、返済方法を選択可能にして出し入れ自由にすれば、かなりのニーズがあると考えている。将来的には銀行の不動産担保代理業も視野に入れている。オーソドックスなビジネスではあるがブルーオーシャン市場になっているため、今期2017年6月期はこの分野(不動産×金融)で集中的にシェアを獲得していこうと考えている。(同社は10月31日、子会社のフィナンシャルドゥが不動産評価額を1分で査定するスマートフォンアプリ「Do!BANK」の配信を開始したと発表。)


【飯村真由のライブ社長インタビュー】

飯村:2015年3月に上場されてから1年半くらいが経ちましたが、上場メリットとしてはどのようなものがありましたか?

安藤:フランチャイズの加盟店について問い合わせが増えた他、銀行の融資体制も変わりました。実はマイナス金利の導入まではハウス・リースバック事業に融資をしてもらえなかったのですが、融資をしてもらえるようになったことも非常にありがたかったです。また上場企業としての信用がついたことで人材を採用しやすくなった点など、上場効果はあらゆる面で感じています。

飯村:不動産担保ローン事業の今後の成長スピードは、どの程度だと考えていらっしゃいますか?

安藤:ハウス・リースバックと同じくらいの成長スピードになることは可能だと考えています。不動産担保ローン事業に関しても銀行からの融資がついてくるかが重要です。ですが、銀行側もかなり前向きですし、ニーズは非常に大きいので、高成長のビジネスとなる可能性は十分にあると思っています。

飯村:2016年6月期の営業利益は前期比で2倍超での着地となりましたが、これは不動産売買事業の業績貢献が大きかったということですよね?

安藤: 2016年6月期の利益は過去3-4年に行った投資の成果でした。どういう戦略を取ってきたのかと言いますと、(かなり前の話に遡りますが)リーマンショック前は20億円規模の不動産売買を行っていました。2007年に保有していた不動産の売却を行った後にリーマンショックが発生し、ファンドが投売りした収益物件を長期借入して40億円ほど買い入れました。その後、値上がりして15億円くらいの利益を得ることができましたので、2011年頃から大量採用に踏みきりました。当時社員が80名程度だったのですが、不景気にこそ積極的な採用を行うべきだと考え、年間で60名の新規採用を5年間行いました。その結果、良い人材が育ち、各部門の利益を押し上げ、前期の業績につながったと思っています。前期は不動産売買事業も大成功したので、その利益も乗っていますが、今後はストック型への事業構造に転換し、より安定的な成長を目指していきます。

飯村:前期は配当に加え、ポイント制の株主優待を導入しましたよね。

安藤:はい。創業してからこの24年間で投資は十分にしてきたので、配当できる余力はあります。今期、積極的な投資を行いますが、投資をしながらも配当を出せる企業だと考えているので、可能な範囲で株主の皆様に還元していきたいと思っています。今後も株主優待を含め、株主還元は積極的に行っていく方針です。

飯村:安藤社長ありがとうございました。

以上

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本セミナーの動画をフィスコIRのセミナーページにて公開しておりますので、そちらも是非ご覧ください。

なお、11月4日に同社の2017年6月期第1四半期決算が発表される予定です。

《HK》

 提供:フィスコ

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