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2998 クリアル

東証G
4,925円
前日比
+250
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
33.9 7.68
時価総額 288億円
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クリアル Research Memo(8):「CREAL」の高成長を軸として大幅な業績拡大と高成長が続く見通し(1)


■今後の見通し

1. 2024年3月期の業績見通し
クリアル<2998>の2024年3月期の連結業績予想は、売上高26,000百万円(前期比58.2%増)、売上総利益3,250百万円(同47.3%増)、営業利益770百万円(同40.7%増)、経常利益720百万円(同45.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益480百万円(同42.8%増)と前期に続き売上高で50%超、各利益で40%超の加速度的な増収、増益を見込んでいる。成長を加速させるための基盤整備にも着実に取り組んでおり、2023年4月より、完全子会社であるクリアルパートナーズが運営していた「CREAL PARTNERS」のサービスの一部をクリアルに承継し、サービスラインの名称も「CREAL PB」に変更した。「CREAL」の顧客の中には実物不動産投資ニーズを有する投資家も存在するため、こうした顧客に「CREAL PB」の商品をクロスセルしていく。同様に、「CREAL PB」から「CREAL PRO」へのクロスセルも推進していくこととしている。また、マーケティングやDX開発プラットフォームを一元化することで、サービス間のシナジーを最大化する。子会社であるクリアルパートナーズについては、プロパティマネジメント専業会社として成長させ、ストックビジネスを強化していく戦略だ。さらに、2023年1月に実施したSBIホールディングスとの資本業務提携(同社は21.68%の議決権所有)により、SBIグループ各社と様々な分野において共同での事業展開、業務提携を進めている。既に、ネット証券であるSBI証券のトップページにはクリアルの広告バナーが貼られ、SBI証券に口座を持つ顧客が「CREAL」に送客される流れが生じているようだ。また、リアル店舗で運営しているSBIマネープラザでは、富裕層に属する顧客に対して「CREAL」「CREAL PB」の紹介を進めており、業務提携によるシナジーが期待される。

一方で、業界での認知度、プレゼンスの向上により、投資物件も不動産仲介業者、デベロッパーから数多く持ち込まれてきており、投資家のニーズに応えてファンドを供給していく事業環境も整ってきている。期中で「CREAL」の会員数を2万人、GMVを200億円伸長させる意欲的な計画だが、こうした事業基盤・環境の整備状況や、9割という高いリピート投資率を背景に、計画の達成が大いに期待されると、弊社では考えている。

なお、成長に向けた先行投資として、前期に続いて人材の確保にも注力していく。システム開発、マーケティング、商品(不動産)開発をインハウスで行えるというクリアルの強みを持続、成長させるため、それぞれの分野で能力を発揮できる人材の確保をバランス良く進めていくことが必要となっており、一定の投資を実施する計画である。

2. サービス別の見通し
(1) 「CREAL」
「CREAL」は、ファンド償還の順調な推移を背景に業績は倍増となる増収ペースで好調に推移している。将来をにらみ、従来にも増してAIやDXなどのIT投資、マーケティング、ESG投資等の新規プロダクトの開発を積極的に推進している。加えて、第3号及び第4号不動産特定共同事業者許可取得の準備を進めている。

a) ファンドの運用状況
ファンド償還は物件の外部売却が主なトリガーとなるため、この数値は「CREAL」のサービスの売上額に直結する。「CREAL」の売上高はこの外部売却金額に加え、ファンドに関する組成手数料や管理手数料などから構成される。

「CREAL」の2023年3月期の売上高は10,223百万円となった。レジデンス15件、ホテル2件、商業施設1件のファンドの償還を実施した。これらのファンドの外部売却金額に、ファンド組成手数料や管理手数料も加わっている。

2024年3月期は5月の決算発表までにレジデンス1件(ファンドサイズ529百万円)が売買契約締結済みと開示され、物流施設2件、商業施設1件、保育園2件、レジデンス13件の計9,952百万円の売買契約締結前ファンドを運用中であり、これらは、2024年3月期中に売却可能性のある売却予備軍のパイプラインという位置付けとなっていた。また5月の通期決算発表後には物流施設2件の売買契約について開示が行われ、上記のレジデンス1件とあわせてこれらが元本償還準備中の状況にある。さらに、2024年4月、5月には7件、約45億円のファンドを成立させており、現在のペースでいけば、「CREAL」の2024年3月期の通期予想16,000百万円は十分に達成できる水準であると言えよう。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

《SI》

 提供:フィスコ

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