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2998 クリアル

東証G
4,290円
前日比
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100株
PER PBR 利回り 信用倍率
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時価総額 251億円
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クリアル Research Memo(1):高成長を続けるオンライン不動産投資市場のリーディングカンパニー


■要約

クリアル<2998>は、不動産投資クラウドファンディング市場のオンライン不動産投資市場のリーディングカンパニーである。「株式会社ブリッジ・シー」の社名で2011年に設立した。不動産特定共同事業法※が2017年に規制緩和されたことを契機に、インターネットを通じた不動産投資クラウドファンディングサービスの提供が可能になる第1号及び第2号不動産特定共同事業者許可(電子取引業務)を2018年10月に取得した。同時期に「CREAL」のブランド名でクラウドファンディング技術を利用した不動産ファンドオンラインマーケットサービスを開始。

※不動産投資家の利益の保護を図ることを目的に1994年に制定。2017年の法改正により、小規模不動産特定共同事業を創設するとともに、クラウドファンディングに対応した環境が整備された。


不動産業界の閉鎖性や資金、専門知識の不足によってこれまでハードルが高いとされてきた不動産投資において、資産運用プロセスのデジタルトランスフォーメーション(DX)によって情報の透明性と利便性を追求。独自開発の人工知能(AI)を活用し、少額投資需要を有する個人投資家に幅広く投資機会を提供することで高成長を遂げ、2022年4月28日に東京証券取引所(以下、東証)グロース市場への上場を果たした。

1. 事業概要
事業構成は、資産運用プラットフォーム事業の単一事業セグメントとなっており、このなかで、1) 個人投資家向けにクラウドファンディング技術を活用して不動産による資産運用をオンラインで手軽に1万円から開始できるサービス「CREAL」、2) 個人投資家向けに、AI・DXを活用して抽出した優良実物不動産を対象として、中長期の資産運用サービスを提供する「CREAL PB」(2023年4月よりサービスラインの名称を「CREAL PARTNERS」から変更)、3) 機関投資家及び超富裕層向けに不動産ファンドの運用等の不動産投資サービスを提供する「CREAL PRO」の3つのサービスを展開する。

2. 業績動向
2023年3月期の連結業績は、売上高16,436百万円(前期比55.3%増)、売上総利益2,206百万円(同42.0%増)、営業利益547百万円(同74.5%増)、経常利益496百万円(同93.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益336百万円(同95.0%増)と大幅な増収増益となった。「CREAL」の物件売却が計画を上回ったため、売上高、各利益とも2022年12月に上方修正した業績予想を上回って着地した。新型コロナウイルス感染拡大による行動制限の緩和や全国旅行支援などの政策効果を受けて、低下していたホテルや商業施設の稼働率は回復し、レジデンスや物流施設は安定稼働と底堅い需要が継続した。マンション市場においても、新築・中古ともにm2単価は上昇傾向が続き、レジデンスを中心としたファンドの償還・売却が順調に完了した「CREAL」が前期比で大幅な増収となり、売上と利益の伸びをけん引。「CREAL」は、上場により認知度が上がったこと、オンライン投資家に着実にリターンを提供したことで投資家会員数は累計で4万人、累計投資金額は275億円を突破した。

3. 2024年3月期の業績予想
2024年3月期の連結業績予想は、売上高26,000百万円(前期比58.2%増)、売上総利益3,250百万円(同47.3%増)、営業利益770百万円(同40.7%増)、経常利益720百万円(同45.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益480百万円(同42.8%増)と前期に続き加速度的な増収、増益を見込んでいる。2023年1月にはSBIホールディングス〈8473〉との資本業務提携による顧客の共有化などの取り組みを発表。4月には子会社が運営していた「CREAL PARTNERS」のうち、不動産の販売または仲介事業を自社運営化のうえサービス名称を「CREAL PB」へ変更し、顧客、マーケティング、システム開発の一元化など、成長の基盤整備に着実に取り組んでいる。また、業界での認知度、プレゼンスの向上により、投資物件も不動産仲介業者、デベロッパーから数多く持ち込まれてきており、投資家のニーズに応えてファンドを供給していく事業環境は整ってきている。期中で「CREAL」の獲得投資家数を2万人、GMV(流通取引総額:「CREAL」の募集額)を200億円伸長させる意欲的な計画だが、こうした事業基盤・環境の整備状況や、9割という高いリピート投資率を背景に、計画の達成が大いに期待されると、弊社では考えている。

4. 成長戦略
同社は、オンライン不動産投資市場の高度な成長ポテンシャルを背景に、主力の「CREAL」を成長戦略のメインドライバーと位置付けている。その発展のため、現在は第3号及び第4号の不動産特定共同事業者許可取得の準備を進めている。同許可取得により、SPC(特別目的会社)を活用した不動産クラウドファンディングが可能となる。SPCの活用により、物件のオフバランス化と金融機関からの借り入れを活用した大型の物件への投資、レバレッジを利かせた収益の獲得ができるようになることから、同社の第2の成長ステージへ向けた事業スキームが整備されることになる。

この第3号及び第4号の不動産特定共同事業者許可取得によるSPCを活用した事業スキームの実現やSBIホールディングスとの資本業務提携を大きな原動力として「CREAL」を飛躍的に成長させるべく、2026年3月期に年間GMVを600億円(2023年3月期実績123.1億円の約4.9倍)に、累計獲得投資家数を14万人(2023年3月末4万860人の約3.4倍)に、単年度AIPU(Average Investment Per User:投資家1人当たりの投資金額)を428千円(2023年3月期310千円の約1.4倍)に、それぞれ拡大する計画を策定。拡大を強力に支援するIT投資や新機能のリリースを積極的に行う方針である。

■Key Points
・資産運用プロセスのDX推進と独自開発のAI活用により、個人投資家にはハードルが高かった不動産投資の機会を創出
・2023年3月期は売上高、各利益ともに通期計画を超過して着地
・2024年3月期は売上高で50%超、各利益で40%超と加速度的な成長を計画
・第2の成長ステージに向けた事業スキームを整備
・「CREAL」を成長戦略の中核に位置付け、2026年3月期には、年間GMVを600億円に伸長させる計画

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

《SI》

 提供:フィスコ

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