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2933 紀文食品

東証P
1,210円
前日比
+25
+2.11%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.7 1.47 1.65 10.74
時価総額 276億円
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紀文食品 Research Memo(3):伝統と品質を受け継ぎ、新しい分野にも挑戦する老舗の食品加工メーカー(2)


■会社概要

2. 事業概要
紀文食品<2933>は1938年に創業し、「革新と挑戦と夢」という経営理念を掲げ「食を通じておいしさと楽しさを提供し、お客様の明るく健康な生活に貢献する会社」というビジョンのもと事業を展開している。2022年に創業85年目を迎え、食品の仕入れから製造・販売までを一気通貫で行える老舗食品加工メーカーであり、グループ連結で年商約1,000億円の国内最大手の事業規模である。商品は全国に流通しており、製造されている商品は一般家庭に馴染みの深いものばかりである。商品には「作り手の私たち」「流通業の皆様」「消費者の皆様」の関係性が表現されている「ハートフラワー」マークが使われている。

同社は幅広い事業展開を行っているため、取扱い商品も多数ある。これらの商品分類は「水産練り製品」「惣菜」「紀文オリジナル製品」等としている。

水産練り製品:はんぺん、かまぼこ、笹かま、さつま揚げ、ちくわ、つみれ、鳴門巻き、伊達巻など
同社で最も歴史のある主力商品群である。水練り製品は魚肉をすりつぶし、食塩や副原料を入れ、成型したのち、加熱して凝固(ゲル化)させた水産加工品の総称である。独特の食味を持ち、簡単な調理で食べられる。

惣菜:餃子、ワンタン、調理済みおでん、肉まん
40年以上にわたって惣菜を扱ってきており、同社独自のタンパク質融合技術を使った高付加価値商品などを販売している。具体的には、おからパウダーとこんにゃく粉を使用した糖質0gで食物繊維が豊富な麺状製品「糖質0g麺」などが商品である。

紀文オリジナル製品:チーちく、魚河岸あげ、したらば(カニかま)
魚河岸あげは豆腐とすり身を合わせた半月型の練り製品であり、チーちくはちくわにカマンベール入りチーズを、リング状に三層構造で巻き込んだ練り製品である。

同社の事業セグメントは「国内食品事業」「海外食品事業」「食品関連事業」の3セグメントに分類される。これらのセグメントは、食品製造および販売を主とする事業を国内の事業と海外の事業に区分し、製造販売する事業とそれ以外のサービスを行う事業会社に分けて事業を管理している。2023年3月期第2四半期で国内食品事業は全社売上高の66.8を占める。こちらを主力事業としており、海外食品事業は14.7%、食品関連事業は18.5%の売上構成比である。海外食品事業はここ数年、2ケタ台で売上を伸ばしており、同社が注力する事業セグメントとなっている。

(1) 国内食品事業
日本国内における水産練り製品、惣菜、水産珍味などの食品の製造と販売、それを行うための原材料の国内輸入を行う。国内に6ヵ所の製造拠点をもち、「恵庭工場(北海道)」「東京工場(千葉県)」「船橋工場(千葉県)」「横浜工場(神奈川県)」「静岡工場(静岡県)」、子会社の(株)紀文西日本の「岡山総社工場(岡山県)」で商品の製造を行う。加えて、関連会社の海洋食品(株)(沖縄県)でも製造工場を持ち、供給体制を整えている。

同社発祥の地である東京・築地で「紀文 築地総本店」をランドマーク的存在として置きつつ、全国に営業拠点をもち、その地域のニーズにあった商品を取り扱っている。同社は取扱い品目が多岐にわたり、これらのニーズを支えるため、全国に物流センターを配置している。物流は製造された商品を集荷、仕分けなど発送の全工程において低温管理が行える。営業拠点網は各地域の在庫状況を確認・追跡し、需要の変化を予測・計画する役割もあり、それぞれのエリアならではの嗜好や特徴を生かした地域限定商品への配送対応も可能で、在庫状況を管理し、各エリアの需要変動に対して細やかな対応が可能である。

(2) 海外食品事業
同社グループは米国に主要調達拠点を置き、すり身、魚介類、穀物などの主要な商品を取り扱っている。すり身は水産練り製品の生産地である日本及びアジアに供給され、その他の商品は主に北中米にて輸出入及び販売がされている。主要生産拠点はタイにあり、製造された商品は中国、アメリカ、シンガポール、オランダなどへ輸出される。

(3) 食品関連事業
食品関連事業の主たる役割はロジスティック事業であり、(株)紀文フレッシュシステムが手掛けている。また、チルド食品の流通に関する情報を提供する情報システム事業では、日本全国に多数の物流センターと顧客・車両を共有し、国内の顧客にタイムリーで確実な配送を行う。この情報システム事業と物流センターが、国内の流通業の各拠点への確実な配送を可能にしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石灰達夫)

《SI》

 提供:フィスコ

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