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3073 DDグループ

東証P
1,266円
前日比
+68
+5.68%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.2 2.52 1,648
時価総額 233億円
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DDHD Research Memo(1):22年2月期は損失幅が改善。債務超過も解消し業績の早期回復と成長回帰を目指す


■要約

1. 事業概要
DDホールディングス<3073>は、レストラン・カフェ・専門料理業態、ダーツやビリヤード、カラオケ等の店舗を、首都圏をはじめ全国主要都市に多ブランド展開する「飲食・アミューズメント事業」、ホテル、貸コンテナ、不動産販売などの「ホテル・不動産事業」も手掛けている。保有ブランドの多様性を生かしたブランドマネジメント制とドミナント展開に特徴がある。特に、「VAMPIRE CAFE(ヴァンパイアカフェ)」「アリスのファンタジーレストラン」「ベルサイユの豚」など個性的な人気ブランドを創出してきたことや積極的なM&Aによる事業規模拡大、「わらやき屋」「今井屋」「BAGUS(バグース)」などの高収益ブランドがこれまでの同社の成長を支えてきた。

2017年9月には持株会社体制へ移行し、株式会社DDホールディングスへと商号変更した。「世界に誇る『オープンイノベーション企業』」を新たな経営理念に掲げ、グループ会社の理念・個性を尊重するとともに、オープンイノベーションによる相互補完と相乗効果により企業価値の最大化を図る方向性を打ち出している。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響により足元業績は大きく後退し、直近2期は経営合理化策に基づく事業基盤の強化に専念してきたが、資本政策による財務基盤の整備を進め債務超過を解消したことから、いよいよ変革を進め、成長軌道に戻すための体制が整ってきた。

2. 2022年2月期の業績概要
2022年2月期の連結業績は、売上高は前期比17.6%減の19,353百万円、営業損失は7,332百万円(前期は9,703百万円の損失)、経常損失は97百万円(同9,034百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失354百万円(同8,507百万円)と長期化するコロナ禍の影響により減収となったものの、損失幅は大きく改善した。度重なる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に伴う休業・時短営業、酒類提供制限等により、主力の「飲食・アミューズメント事業」の売上高は前期よりもさらに落ち込む結果となった。一方、「ホテル・不動産事業」については、貸コンテナ事業が安定推移しているうえ、新型コロナウイルス感染症の軽症者受け入れ施設としてホテル一棟を提供したことで、地域医療への貢献とともに、大幅な増収を実現することができた。一方、損益面では、グループ会社の見直しや不採算店舗の整理を含む収益体質の強化(損益分岐点の引き下げ)により営業損失は縮小した。さらに助成金収入(時短要請協力金等)を営業外収益に計上したことにより経常損失を97百万円まで改善することができた。財務面でも、第6回新株予約権の行使及びA種優先株式の発行により債務超過を解消し、自己資本比率も12.7%に回復した。

3. 2023年2月期の業績見通し
2023年2月期の連結業績予想について同社は、売上高を前期比68.6%増の32,628百万円、営業利益を524百万円、経常利益を903百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を522百万円と、コロナ禍からの段階的な回復と収益体質の強化により黒字転換を見込んでいる。まん延防止等重点措置(2022年1月21日~3月21日)が解除されて以降、総じて回復基調にあるものの、新たな変異株の懸念や行動様式の変化等による影響を慎重に判断し、既存店売上高はコロナ禍前の約70%台の水準を見込んでいるようだ。また、コロナ禍からの本格的な回復は下期に入ってからと想定している。損益面でも、売上高の一定の回復に加え、これまで取り組んできた損益分岐点の引き下げ効果により、黒字転換を見込んでいる。

4. 今後の方向性
同社は、外食業界を取り巻く環境変化等を踏まえ、2020年2月期より3ヶ年の中期経営計画をスタートした。既存事業の強化・拡大に加え、ブランドポートフォリオの拡充、スケールメリットの追求等により、高収益体質への転換や将来利益の創造などに取り組んでいる。この2年間はコロナ禍の影響を受け、事業基盤及び財務基盤の安定化に専念してきたが、業界の枠を超えたイノベーションの推進により、環境変化に柔軟に対応し、持続的な成長を実現していく方向性に大きな修正はない。特に、コロナ禍に伴う「新たな生活様式」の定着に鑑み、コア事業の業績回復と並行して新規事業の準備を順次開始していく構想であり、2022年2月期は、M&Aで従前より進めていたカフェ等のノンアルコール業態へのポートフォリオシフト、デリバリー・催事による販売、フランチャイジー展開(FC加盟)や購買プラットフォームの立ち上げなどで具体的な成果を残すことができた。

■Key Points
・2022年2月期は長期化するコロナ禍の影響により減収となるも、収益体質の強化や助成金収入により損失幅が改善するとともに、資本政策を通じて債務超過も解消
・コロナ禍に伴う「新たな生活様式」の定着に鑑み、コア事業の業績回復と並行して新規事業の準備にも取り組む
・2023年2月期はコロナ禍からの段階的な回復により黒字転換を見込む
・この2年間は事業基盤及び財務基盤の安定化に専念してきたが、同社ならではのイノベーションの推進により、環境変化に柔軟に対応し、持続的な成長を実現していく方向性に修正はない

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《ST》

 提供:フィスコ

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