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【材料】IBMが決算受け上昇 通期の売上高、FCFの見通し据え置きに安心感=米国株個別

(NY時間09:41)
IBM<IBM> 142.56(+5.48 +3.99%)

 IBM<IBM>が上昇。前日引け後に7-9月期決算(第3四半期)を発表したが、1株利益が予想を上回ったほか、売上高も予想を若干上回った。また、通期のガイダンスでは売上高、フリーキャッシュフロー(FCF)の見通しを据え置いた。同社がソフトウェアとハイブリッド・クラウド・サービスに注力していることが好結果に繋がっていることを示唆している。

 同社は声明で「クライアント企業の生産性向上と業務効率化を実現するため、ワトソンAI・データプラットフォームとハイブリッド・クラウドソリューションの導入が進んでいる。これは、われわれのソフトウェア事業とコンサルティング事業の堅調な成長を後押ししている」と述べた。

 同社は変革の一環として、マネージド・インフラストラクチャ、ウェザー、ヘルス事業を売却してきた。一方、8月にはソフトウェア管理のアップティオ社を46億ドルで買収。アナリストからは予測不可能な経済が同社のコンサルティング部門に打撃を与えるとの懸念を示したが、同部門の売上高は49.6億ドルと予想の51億ドルを僅かに下回った程度だった。

 同社のコンサルティング顧客の多くは海外にいるため、この未達成の多くはドル高に起因するとカバノーCFOはインタビューで語っている。コンサルティングの顧客行動は年初からあまり変わっていないとも付け加えた。

 アナリストからは、予想を上回る売上高は主にインフラ部門の業績が予想を上回ったこととアップティオ社との買収に起因するものだが、コンサルティング部門とレッドハット部門の減速は顧客企業の裁量的なIT支出に対する圧力を示しているとの指摘も出ている。

(7-9月・第3四半期)
・1株営業利益:2.20ドル(予想:2.12ドル)
・売上高:147.5億ドル(予想:146.8億ドル)
  ソフトウェア:62.7億ドル(予想:62.6億ドル)
  コンサルティング:49.6億ドル(予想:51.0億ドル)
  インフラストラクチャー:32.7億ドル(予想:31.5億ドル)
  ファイナンス:1.86億ドル(予想:1.86億ドル)
・粗利益率(調整後):55.5%(予想:54.9%)
・FCF:16.8億ドル(予想:13.5億ドル)

(通期見通し)
・売上高:3~5%増に据え置き(予想:3.0%増)
・FCF:約105億ドルに据え置き(予想:99.3億ドル)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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