市場ニュース

戻る
 

【市況】IMF、ロシアの黒海穀物イニシアチブ離脱で穀物価格が10-15%上昇する可能性

 IMFは、ロシアがウクライナ産の穀物を黒海経由で輸出する国際協定「黒海穀物イニシアチブ」を延長しないと通知し協定から離脱したことで、世界の穀物価格が10-15%上昇する可能性があると試算した。引き続き状況を見極める必要があると述べている。

 IMFのチーフエコノミストのピエール=オリヴィエ・グーリンチャス氏は「黒海経由の穀物取引は、ウクライナからの十分な穀物供給を確保し、食料価格上昇圧力を緩和する非常に有益なものであった。この取引が停止されれば、価格上昇圧力が高まるだろう。穀物価格が10-15%上昇するのは妥当なところだ」と述べた。

 IMFはまた、同イニシアティブからのロシアの離脱は、北アフリカ、中東、南アジアなど、ウクライナからの輸出に大きく依存している地域に打撃を与えるだろうとも述べている。この協定により、ウクライナは約33トンの穀物を海上輸送で輸出しており、世界の食料安全保障にとって重要な要素となっていた。

 EUはきょう、ウクライナと国境を接するEU加盟国を経由する鉄道・道路輸送網(連帯レーン)を通じて、ウクライナの農産物のほぼすべてを輸出する用意があると発表した。国連の支援を受けた穀物取引が実施されていた間は、ウクライナの輸出の約60%は連帯レーン経由で出荷され、40%が黒海経由で出荷されていた。

出所:MINKABU PRESS

株探からのお知らせ

    日経平均