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【市況】ダウ平均は下落 パウエル証言をきっかけにIT・ハイテク株に利益確定売り=米国株後半

NY株式21日(NY時間15:43)
ダウ平均   33981.16(-72.71 -0.21%)
ナスダック   13519.97(-147.32 -1.08%)
CME日経平均先物 33650(大証終比:+80 +0.24%)

 NY時間の終盤に入ってダウ平均はやや下げ幅を拡大している。IT・ハイテク株への利益確定売りは続いており、ナスダックは大幅安となっている。

 米株式市場では先週までの上げで高値警戒感が出ており、それを正当化する次の材料を必要としている。ナスダックは主要な上値抵抗線を突破したことで、出来高の増加と幅広い市場参加者に支えられ、米株式市場は買われ過ぎの水準に到達している状況。

 きょうはパウエルFRB議長の下院金融委員会での議会証言が行われていたが、ちょうどよいきっかけとなった模様。議長は事前原稿で「金利は年末までに幾分高くなると当局者は見ている。インフレを2%に戻すにはまだ長い道のり」と言及していたことで株式市場はタカ派な雰囲気と受け取った模様。米国債利回りの上昇と伴にIT・ハイテク株は利益確定売りに押されている。

 市場からは、「ここ数週間、株価は上昇するばかりでほっとしている。今週のFRBの講演者は利上げを続けるという話に集中しそうだ。そして、そのことが、特にIT・ハイテク株のような成長に依存する高値圏の銘柄に一服感を与えている」との見方が出ている。

 前日引け後に決算を発表したフェデックス<FDX>が下落。一旦プラス圏に転じる場面があったものの上値は重い。24年度の通期ガイダンスで予想を下回る1株利益の見通しを示したことが嫌気。需要の落ち込みが、スブラマニアムCEOの40億ドルのコスト削減計画を相殺した格好。

 フィットネス機器のペロトン・インタラクティブ<PTON>が4日続落。アナリストが投資判断を「売り」に引き下げた。

 電気自動車(EV)のニコラ<NKLA>が上昇。同社株は今月に入って人気化しており、投機筋中心に資金が活発に入っている。先週の金曜日には戻り売りが強まっていたが、今週に入って再び動意づいている格好。超低位株ということもあり、個人投資家も参戦しているようで、同社株は6月6日終値0.54ドルから150%超上昇している。

 産業廃棄物のリサイクル処理を手掛けるピュアサイクル・テクノロジーズ<PCT>が大幅高。産業廃棄物のリサイクル原料からウルトラ・ピュア・リサイクル(UPR)樹脂を商業規模で生産することに成功したと発表した。

 歯科製品やペット用獣医器具のパターソン<PDCO>が決算を受け大幅高。予想を上回る通期の1株利益の見通しを示している。歯科医療機器の売上げ増に助けられた。

 ペット用保険のトゥルーパニオン<TRUP>が大幅安。アナリストによると、カリフォルニア州がペット保険会社の28%の値上げ提案に対し、12.6%に引き下げるよう異議申立をした。

フェデックス<FDX> 225.72(-5.93 -2.56%)
ペロトン<PTON> 7.60(-0.67 -8.05%)
ニコラ<NKLA> 1.44(+0.12 +9.09%)
ピュアサイクル<PCT> 9.74(+1.80 +22.67%)
パターソン<PDCO> 32.43(+4.17 +14.76%)
トゥルーパニオン<TRUP> 21.35(-5.24 -19.71%)

アップル<AAPL> 184.12(-0.90 -0.48%)
マイクロソフト<MSFT> 333.62(-4.43 -1.31%)
アマゾン<AMZN> 124.78(-1.00 -0.80%)
アルファベットC<GOOG> 121.24(-2.62 -2.11%)
テスラ<TSLA> 261.04(-13.41 -4.89%)
メタ・プラットフォームズ<META> 281.82(-2.51 -0.88%)
AMD<AMD> 112.77(-6.17 -5.18%)
エヌビディア<NVDA> 431.56(-6.52 -1.49%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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