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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):JAL、ソシオネクス、フリー

JAL <日足> 「株探」多機能チャートより
■日本航空 <9201>  3,065円  +101.5 円 (+3.4%)  本日終値
 日本航空<9201>が続伸し、3000円台に乗せた。ANAホールディングス<9202>も堅調。ともに2020年2月以来の高値圏で推移し、東証の業種別指数で空運業は上昇率でトップとなっている。21日の取引終了後に日本政府観光局が5月の訪日外客統計を公表する。海外からの観光客を中心とした訪日外客数の増加が期待されるなか、空運株に対しては先回り買いが入ったようだ。米国では早いところでは5月中に卒業式を行う学校もあるが、夏の旅行シーズンに入った同国では、奴隷解放記念日の連休初日となった6月16日の航空旅客数が1日としては過去4番目の高水準となったとも伝わっている。米国における旺盛な旅行需要への思惑も、国際線を運航するJALとANAHDの株価を押し上げる要因となったとみられている。

■ソシオネクスト <6526>  27,720円  +890 円 (+3.3%)  本日終値
 ソシオネクスト<6526>の上げ足が止まらない。連日の上場来高値更新できょうは一時1500円高の2万8330円まで駆け上がる場面があった。このほかやや上値が重くなっているもののアドバンテスト<6857>が続伸、ディスコ<6146>は最高値を更新するなど、GPU向けで需要獲得が見込まれる大手半導体製造装置メーカーへの買いが継続している。米国では生成AI市場の拡大で恩恵を受けるエヌビディア<NVDA>の株価上昇が際立っているが、市場関係者によると「東京市場でもAI用半導体特需が見込まれる銘柄に海外投資家とみられる大口の資金流入が継続している」(ネット証券アナリスト)という。一方、岸田政権も国産半導体の育成に本腰を入れている。今週18日には、西村経済産業相が日の丸半導体新会社ラピダスへの追加支援を検討することを表明、TSMC熊本工場に匹敵する補助金の支援規模となるなか、最先端半導体の量産で商機が高まる銘柄群に熱い視線が注がれている。

■フリー <4478>  3,660円  +115 円 (+3.2%)  本日終値
 フリー<4478>は朝安後切り返す展開。この日、「freee人事労務」において電子契約サービス「freeeサイン」を通じて契約書の作成から送信、管理保管ができる機能の提供を29日に開始すると発表。これを材料視した買いが入ったようだ。入社や退社に伴う手続きが発生した際、人事データの管理と契約手続きは、別々のツールが使用されていた。今回の機能提供により、一連の業務をすべてfreee人事労務内で完結できるようになり、労務担当者の業務効率化につながるという。

■資生堂 <4911>  7,036円  +132 円 (+1.9%)  本日終値
 資生堂<4911>が3日ぶりに反発。2021年11月以来、およそ1年7カ月ぶりの高値圏で推移している。SMBC日興証券が20日、同社株の投資評価を「2」から「1」に引き上げた。目標株価も7100円から9000円に増額修正している。コロナ禍でポートフォリオ改革を進め、強みを持つスキンケアに注力したことで、グローバルメジャーに匹敵する10%台後半のマージンの実現が射程圏内となったと指摘。同証券は資生堂の24年12月期営業利益の予想を991億円から1010億円に見直している。

■大日本印刷 <7912>  4,063円  +65 円 (+1.6%)  本日終値
 大日本印刷<7912>が反発。この日、メタバースを活用して自治体が抱える4つの地域課題に寄与するパッケージサービスの提供を開始すると発表しており、好材料視された。同サービスは自治体が抱える「地域の魅力発信」「産業振興の促進」「相談業務の支援」「地域コミュニティーの活性化」に着目。これまで培ってきたメタバースに関する技術を活用し、地域の課題解決に向けて簡易的な実証段階の企画設計から、空間の構築、本格的な運用まで、ワンストップで支援するとしている。

■CYBERDYNE <7779>  353円  +5 円 (+1.4%)  本日終値
 CYBERDYNE<7779>が4日続伸し年初来高値を更新。午前11時30分ごろ新たに開発した医療用HAL下肢タイプ(「医療用HAL」)の小型モデルに関して、PMDA(医薬品医療機器総合機構)に製造販売承認申請を提出したと発表しており、好材料視された。医療用HAL小型モデルは、既に承認されている医療機器の医療用HALを使用できない小柄な患者向けに開発された小型機器で、一部AMED(日本医療研究開発機構)からの支援を受けて開発された。今回の承認申請により、これまでサイズが合わないために医療用HALを利用できなかった小柄な患者に対しても、医療用HALによる治療機会を拡大することができるようになるという。なお、欧州、米国、アジアなどの諸外国でも医療機器申請を順次進めるとしている。

■住友林業 <1911>  3,470円  +44 円 (+1.3%)  本日終値
 住友林業<1911>が続伸。同社は、国内に加え米国など海外での住宅事業を展開している。20日に発表された米5月住宅着工件数は、前月比21.7%増の163万1000戸と市場予想を上回った。この日は、米住宅需要の堅調さが示されたことを好感する買いが強まったようだ。ただ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は20日、株価は受注回復を急速に織り込みつつあるとして、同社株のレーティングを「オーバーウエート」から「ニュートラル」に引き下げるなど慎重な見方も出ている。

■荏原 <6361>  7,196円  +66 円 (+0.9%)  本日終値
 荏原<6361>が4日ぶりに反発。この日、日本大学生物資源科学部加野浩一郎教授と、培養肉製造を目的とした共同研究を開始したと発表しており、好材料視された。加野教授は、成熟脂肪細胞を自発的に脱分化させることによって、さまざまな細胞に分化転換する新規の多能性細胞DFATを開発。DFATは食肉加工の過程で廃棄される脂肪組織から大量かつ安定的に製造ができ、筋細胞および脂肪細胞に分化可能であることから、培養肉としての活用が期待されている。一方荏原は、流体制御技術や装置機器設計ノウハウを活用したDFAT大量製造装置の設計開発を行うことで、細胞農業事業の実現を加速させるとしている。

■アイシン <7259>  4,300円  +24 円 (+0.6%)  本日終値
 アイシン<7259>はしっかり。午後0時50分ごろ、固体酸化物形電解セル(SOEC)による水素製造技術開発が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募する「地域水素利活用技術開発」プロジェクトに採択されたと発表しており、好材料視された。今回採択されたテーマ「工場/事業所の未利用低温排熱を活用したSOECによる水素製造技術開発」は、日本特殊陶業<5334>及び九州大学と連携して研究を進めているもの。SOECは、太陽光発電等の再生可能エネルギー由来の電気を使い、クリーンな水素を高効率で製造することができるシステムであり、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム typeS」の開発で培った熱マネジメント技術を活用することで、より高効率なSOECの開発を進め、25年度には自社工場、事業所で低温排熱の回収・水素製造の実証実験を行う予定としている。

■三栄建築設計 <3228>  1,437円  -105 円 (-6.8%)  本日終値  東証プライム 下落率2位
 三栄建築設計<3228>が急落し、年初来安値を更新した。20日の取引終了後、元社長の小池信三氏が指定暴力団の組員に対し額面約189万円の小切手を交付し、利益を供与したとして、東京都公安委員会から暴力団排除条例第27条の規定による勧告を受けたと発表した。今後の事業への悪影響を懸念した売りが膨らんだようだ。同社は小池信三氏に対し、保有株式の処分などを求めていくという。あわせて社長交代についても発表した。前社長の小池学氏が辞任し、常務の千葉理恵氏が20日付で代表取締役社長に就任した。小池学氏は勧告の理由となった事実への関与は認められていないとするものの、小池信三氏との従来からの関係などを考慮し、辞任の申し出を受理したという。

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