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【市況】来週の株式相場に向けて=「米データ次第」の9月相場突入へ

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 8月相場もあと残りわずか。東京市場は来週木曜から9月相場に入る。26日時点で8月の日経平均株価の上昇率は前月比3.0%。7月は5.3%上昇しており、非常に良好なパフォーマンスを演じた。

 日経平均は一時2万9000円台を回復し、17日には1月5日の年初来高値まで100円ちょっと程度の水準まで値を上げた。この上昇の背景にあるのは、言うまでもなく米インフレ懸念の後退であり、楽観論の台頭とともに売り方は損切りに伴う踏み上げを迫られた。

 ただ見逃せないのは、8月は米連邦公開市場委員会(FOMC)がなく、米金融政策の谷間だったことだ。このため、「多少の悪い数字ならスルーすることができた」(市場関係者)。しかし、9月は20~21日に2カ月ぶりとなるFOMCがある。今晩の米ジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演は当然として、来月2日の米8月雇用統計、13日の米8月消費者物価指数(CPI)という関門をくぐらなければいけない。

 直近のFedウォッチによると、9月は0.75%利上げの可能性が6割強、次の11月も0.5%利上げの予想が5割近くを占めている。タカ派への修正で相場が調整するのか、それとも市場の予想がハト派寄りに修正されるのか。パウエルFRB議長の言う通り「データ次第」の9月を迎えることになり、これからが正念場となる。

 とはいえ、見逃せないのは日経平均採用銘柄の予想1株当たり利益(EPS)が2200円前後と高水準にあり、連結PERは13倍割れの水準にあることだ。バリュエーションの割安さは顕著であり、調整局面があるとしても下値は限定的とみる声は少なくない。

 来週は、米雇用統計の週で重要経済指標の発表が目白押し。30日に米8月消費者信頼感指数、31日に米8月ADP雇用統計、1日に米8月ISM製造業景況感指数が発表される。 国内では31日に7月鉱工業生産が公表される。1日に伊藤園<2593>が決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは2万8300~2万9000円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

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