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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 こう着感は強まるものの、6月の急落前の水準を意識したセンチメントに


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 27850 +70 (+0.25%)
TOPIX先物 1954.5 +2.5 (+0.12%)
シカゴ日経平均先物 27865 +85
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 21日の米国市場は、ナスダック S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。米新規失業保険申請件数が昨年11月以来の高水準となり、バイデン大統領が新型コロナウイルス検査で陽性になったと報じられるなか、利益確定の売りが先行した。ただし、前日の取引終了後に発表した4-6月期決算が評価されたテスラ<TSLA>が10%近く上昇するなど、市場予想を上回る主要企業の決算が相次いだほか、米長期金利の低下を背景にハイテク株を中心に買われ、上昇に転じた。S&P500業種別指数は自動車・同部品、医薬品・バイオテクノロジー、テクノロジー・ハード・機器が上昇する一方で、電気通信サービス、エネルギー、消費者サービスが下落。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、日中大阪比85円高の2万7865円で終えた。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比20円安の2万7760円で始まった。2万7650円まで売られる場面もあったが、その後は2万7650円~2万7820円辺りで高値保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを上放れ一時2万7880円まで買われ、2万7850円で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い優勢で始まることになりそうだ。急ピッチの上昇に対する過熱感は警戒されるものの、米国では主要企業の予想を上回る決算が相次ぐなかでハイテク株を中心に買われており、ショートは入れづらい需給状況だろう。

 また、前日の動きを見ても、日中高値水準でこう着が続くなか、取引終了にかけて上げ幅を広げていた。積極的な上値追いには慎重ながらも、押し目待ちに押し目なしといった状況のなか、引けにかけてロングオーダーを消化する動きのように映る。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に手掛けづらいところではあるが、6月半ばの急落によって解消したロングポジションを以前の水準まで戻す動きが意識されやすい。

 また、米国では米長期金利が低下するなかでハイテク株を見直す動きがある一方で、原油先物相場の下落によってCTA(商品投資顧問)によるリバランスと見られる動きも継続している。そのため、日中はこう着感が強まるものの、日経平均型優位の上昇を想定したNTロングに向かいやすいだろう。昨日のNT倍率は先物中心限月で14.23倍に上昇した。方向性としては6月6日の14.42倍に向けたNTロングによるスプレッド狙いになりそうだ。

 VIX指数は23.11に低下し、6月8日の直近安値23.74を下回ってきた。ナスダックは75日移動平均線水準までのリバウンドとなり、6月2日の直近高値水準に接近するなか、日経225先物も6月10日の直近高値2万8350円をターゲットとしたトレンド形成が徐々に意識されてくる。そのため、オプション権利行使価格の2万7875円を中心とした2万7625円~2万8125円辺りのレンジを想定する。

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