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【特集】AI・ヘルス分野で鍵を握る「イスラエル」との連携、飛躍の可能性秘める銘柄は <株探トップ特集>

第4次産業革命の原動力としてAI・IoTの存在は欠かせない。そのなか、経産省が築いたデジタルヘルス分野での協力関係を糸口に、今後日本企業とIT大国イスラエルとの関係強化に向けた動きが加速していく。

―“中東のシリコンバレー”と手を組み新たなビジネス領域を開拓する企業群の今―

 日本が「中東のシリコンバレー」といわれるイスラエルとの関係を深めている。イスラエルは面積が四国と同程度の約2万2000平方キロメートル、人口は約868万人の小国ながら、サイバーセキュリティー人工知能(AI)IoT(モノのインターネット)自動運転などの分野で高度な最先端技術を基盤としたスタートアップ企業が次々と生まれる“研究開発大国”。日本の政府及び企業は、第4次産業革命で存在感を高めている同国と協力することで技術開発を強化する狙いがあるようだ。

●急速に拡大する日本企業の投資額

 世耕弘成経済産業相は1月14~15日の日程でイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相との会談で両国間の貿易や投資を拡大することを確認するとともに、企業連携を更に推進していくことで合意した。これを受けるかたちで15日には、経産省とイスラエル国経済産業省とがデジタルヘルス分野での協力覚書に署名。イスラエルのスタートアップ企業との連携や医療機関などでの概念実証に関心を持つ日本企業向けのワンストップ窓口を日本貿易振興機構(ジェトロ)に設置することなどが盛り込まれた。同じく15日には関西文化学術研究都市推進機構(KRI)と国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、イスラエル・イノベーション庁の三者が「イノベーション推進及び産業分野での研究開発の連携協力に関する覚書」を締結しており、日本企業とイスラエルのスタートアップ企業とのマッチングや共催イベントの開催などが計画されている。

 イスラエルは、建国の歴史に由来する近隣諸国との政治的に不安定な関係といった問題があるがゆえに国防に注力し、急速な発展を遂げてきた経緯がある。その発展に大きく寄与したのが科学技術で、GDP比での研究開発投資や人口比での科学者・技術者の割合は世界トップクラスを誇り、米インテルが2017年に同国の画像認識用半導体メーカーを買収するなどグローバル企業が高い関心を寄せる要因となっている。こうした動きに乗り遅れまいと日本企業も同国との関係強化に取り組んでおり、日銀の国際収支統計によれば日本企業の投資額は11年の3億円から16年には222億円に拡大。17年には1300億円に膨らみ、これは田辺三菱製薬 <4508> がパーキンソン病などの研究開発を行う同国のニューロダーム社を買収したことなどが寄与している。

●OKIは戦略的パートナーシップ契約

 18年以降もイスラエル企業との関係強化の動きは活発化しており、最近特に目立つのがヘルスケア分野だ。OKI <6703> は今年1月に日本・イスラエル両政府の立ち会いのもと、中東最大の医療機関であるシーバ・メディカル・センターと認知症の予防に関する研究を進めるパートナーシップ契約を締結。同社はこの研究成果を生かした正確な健康スコア(健康状態を点数で表したもの)を実現することで、高齢者が健康度に応じて長く活躍できるような新サービスの提供を目指している。

●SOMPOは健康サービス開発で実証実験

 また、SOMPOホールディングス <8630> 傘下の損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険も1月、イスラエルのスタートアップ企業であるビナー社とAIを活用した健康サービス開発に向けた実証実験を行うことで合意。具体的には、ビナー社が持つデータ形式にとらわれない信号処理・機械学習及び独自のアルゴリズムを活用して、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の顧客の健康状態をアドバイスできる仕組みの構築を進めるという。

●オリンパスは医療機器メーカーに出資

 このほか、キョーリン製薬ホールディングス <4569> 子会社の杏林製薬は18年12月末、エルサレム・ヘブライ大学の技術移転会社と呼吸器疾患治療薬の開発を目指す戦略的パートナーシップを締結。オリンパス <7733> は同年11月に、泌尿器系疾患の治療に用いるデバイスの研究開発・製造を手掛けるMedi-Tate社に出資した。

●SMKは車載生体センサー開発で業務提携

 自動車関連分野では、SMK <6798> が今年1月にイスラエルのケアシス社と「車室内乗員検知センサー」「車載用生体情報センサー」の開発で業務提携したほか、同月には武蔵精密工業 <7220> が同国のイノベーションセンターと工場用自動搬送車や自動画像検査装置用AIアルゴリズムなどを共同開発することで合意。武蔵精密は18年8月に自動車の電動化に向けた先端技術を開発・展開するソフトホイール社と資本提携しており、同国との連携に積極的な企業のひとつといえる。

●豆蔵HD、OK、安川電などにも注目

 昨年末にかけてイスラエル企業に投資する動きも相次いでおり、安川電機 <6506> は大型3Dプリンターを製造・販売するベンチャー企業に出資したほか、住友商事 <8053> は農業向けのITサービスを提供するスタートアップ企業に参画。朝日放送グループホールディングス <9405> のコーポレートベンチャーキャピタルはAIを用いてスポーツの自動中継を実現するカメラシステムを手掛ける企業、京浜急行電鉄 <9006> は同国のベンチャー企業などに投資するファンドに出資している。

 これ以外では、18年12月にイスラエルのテルアビブに、現地テクノロジー企業への投資と共同研究などを目的とした研究機関を設立したオウケイウェイヴ <3808> [名証C]や、同年9月にノイズキャンセリング技術を持つ企業と日本展開を支援するパートナーシップ契約を結んだ豆蔵ホールディングス <3756> にも注目。

 クラウド・ストレージ技術を開発する同国のPliops社は今年1月末、ソフトバンクグループ <9984> 傘下のソフトバンク・ベンチャーズ・アジアなどから3000万ドルを調達したと発表している。

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