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【特集】個別株物色の流れ健在! 10月決算の好業績・割安株をロックオン<株探トップ特集>

東京株式市場ははっきりしない地合いが続いているが、ここは実態の伴った割安銘柄に照準を絞ってみたい。決算発表がほぼ出そろった10月決算企業のなかから有望株を絞り込んだ。

―全体相場に惑わされず、決算内容の良好な低PER銘柄群に活路を見い出す―

 週明け17日の東京株式市場は、前週末14日に日経平均株価が400円を超える大幅下落となった反動もあり、朝方から反発基調の推移となり、終値は前週末比132円05銭高の2万1506円88銭となった。なかでも目立ったのが個別銘柄への物色意欲の根強さだ。そこで、決算発表がほぼ出そろった10月期決算銘柄のなかから、19年10月期通期の経常利益が増益予想でPERが比較的割安な銘柄に注目した。


●カナモト、「i-Construction」や「AI」の活用に対応

 カナモト <9678> は7日、19年10月期の連結業績予想を発表した。売上高は1757億円(前期比4.5%増)、経常利益は187億円(同4.3%増)、最終利益は120億円(同1.2%増)を見込む。引き続き災害被災地の早期復興を支援すると同時に、国内営業基盤の拡充のため、首都圏・大都市圏や九州沖縄地区を中心に中長期的な需要見通しを考慮しながら収益強化へ向けた体制構築に注力する。また、国土交通省が進めている現場の生産性向上策「i-Construction」や「AI」の活用などイノベーション分野へも積極的に対応する。

●グッドコムA、今期は前期比38.7%増の868戸の販売を計画

 東京23区で投資用ワンルームやファミリー向けマンションを販売するグッドコムアセット <3475> は12日、19年10月期の連結業績予想を発表した。売上高231億6600万円(前期比37.7%増)、経常利益16億2700万円(同3.8%増)、最終利益11億1300万円(同3.9%増)を見込み、年間配当は前期比12円増の47円を予定している。今期は、国内自社販売、国内業者販売及び海外販売で計868戸(前期比38.7%増)の販売戸数を計画。また、販売実績増に伴う管理物件の増加により、不動産管理も安定的に推移する見通しで、売上高及び利益を押し上げる。

●泉州電業、機器用・通信用電線の販売拡大で3期連続の増収増益を見込む

 泉州電業 <9824> は10日に19年10月期の連結業績予想を発表した。売上高は850億円(前期比3.6%増)、経常利益は42億8000万円(同4.3%増)、最終利益は28億6000万円(同20.6%増)を予想している。今期は機器用・通信用電線を中心に販売が伸び、3期連続の増収増益を見込む。業績好調に伴い、前期の年間配当を50円から55円に増額し、今期も前期比5円増の60円に増配する方針。併せて、発行済み株式数(自社株を除く)の1.51%にあたる15万株(金額で5億円)を上限に自社株買い実施も発表している。

●学情、Re就活・人材紹介の高収益商品の伸長で利益率改善

 学情 <2301> が10日に発表した19年10月期の単独業績予想は、売上高71億円(前期比10.1%増)、経常利益19億円(同19.5%増)、最終利益12億9100万円(同14.9%増)と大幅増益を見込み、年間配当を前期比3円増の37円としている。今期はインターンシップ募集を対象とした「就職博」の回数・規模を拡大することに加え、新卒学生のための就職情報サイト「あさがくナビ」のフルリニューアルを19年3月に実施する予定。また、20歳代専門転職サイト「Re就活」で19年1月以降もプロモーションを予定しており、これらによる受注拡大を見込む。Re就活・ 人材紹介の高収益商品が伸長することで利益率も改善に向かう見通しで、4期連続の経常最高益更新を見込んでいる。

●萩原工業、買収企業との連携強化でシナジーを最大限発揮

 萩原工業 <7856> は10日、19年10月期の連結業績予想を発表した。売上高は290億円(前期比9.6%増)、経常利益は29億円(同4.3%増)、最終利益は20億円(同6.1%増)を見込む。海外経済の減速や原材料価格の変動など種々のリスクに対応できる強固な事業基盤を確立すべく、合成樹脂加工製品事業では、買収したEPC Holdingsグループ及び東洋平成ポリマーとの連携強化によりシナジーを最大限発揮する。また、機械製品事業で、市場ニーズに対応した戦略的な製品展開を、それぞれ重点施策として推進する。

●ナトコ、環境対応型製品や高機能品のラインアップを拡充

 ナトコ <4627> [JQ]は13日、19年10月期の連結業績予想を発表した。売上高180億円(前期比6.3%増)、経常利益16億円(同9.7%増)、最終利益10億7000万円(同5.4%増)と増収増益を見込み、年間配当を前期比4円増の40円を予定している。今期は、引き続き環境対応型製品や高機能品のラインアップを拡充するほか、中国、東アジアなどの強化による海外売上高比率を拡大させ業績向上を図る方針。

◆主な19年10月期好業績予想銘柄◆
銘柄 <コード>   経常増益率 株価  PER
学情 <2301>      19.5  1252  14.3
ケア21 <2373>    45.3  1198  18.0
グッドコムA <3475>   3.8  1443   9.4
JSB <3480>      4.8  4225   9.7
ソフトウェア <3733>   9.4  8430  16.5
T・SCAT <3974>   6.2  1218  15.2
ナトコ <4627>      9.7  1051   7.4
ハイレックス <7279>  18.0  2344  10.6
フジ・コーポ <7605>   3.0  2085  10.6
オービス <7827>     8.7倍  785   6.3
萩原工業 <7856>     4.3  1743  12.6
ファースト住建 <8917> 18.0  1235   5.9
カナモト <9678>     4.3  3190  10.2
泉州電業 <9824>     4.3  2904  10.1
※株価は17日終値、単位:%、円、倍

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