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【特集】桂畑誠治氏【米国発の波乱相場に幕? ずばり期末相場を読む】(1) <相場観特集>

桂畑誠治氏(第一生命経済研究所 主任エコノミスト)

―パウエルFRB新議長の議会証言後、景色は変わるか―

 前週末の米国株式市場でNYダウ ナスダック指数など主要指数が大幅高に買われ、これを受けて週明け26日の東京株式市場では、日経平均株価が大幅続伸となった。前場伸び悩む局面はあったが後半にかけて買い直される強い地合いで、2万2000円台を回復している。実質3月相場入りとなった東京市場、期末相場の見通しについて第一線で活躍する市場関係者3人に意見を聞いた。

●「米長期金利3%台乗せも下値リスクは限定的」

桂畑誠治氏(第一生命経済研究所 主任エコノミスト)

 前週末のNYダウは350ドル近い上昇をみせたが、当面、米国株式市場は長期金利の動向を横目に神経質な展開が続きそうだ。米10年債利回りは今後フシ目の3%台を上回ってくる可能性が高い。当面3.2%程度の水準まで上昇する余地があり、その後は3%を下限ラインとするもみ合いを予想する。米株市場は一時的には長期金利の上昇を嫌気して荒い値動きとなる可能性があるが、実体経済の強さを考えれば、いったん下値を試しても下げトレンドに移行するということはなく、売り一巡後は切り返してくると考えている。

 スケジュール的にポイントとなるのは、前倒しで今月27日に予定されるパウエルFRB議長の下院での議会証言だ。株式市場にネガティブな印象を与えるような発言はなさそうだが、かといって株高に誘導するようなコメントも期待しにくい。NYダウは下げたとは言っても高値から2月9日のザラ場安値まで12%程度の下落にとどまっている。スピードが速かったためインパクトの大きい形で投資家の脳裏に刻まれたものの、水準的にはそれほど大きな下げではない。なお、3月9日には米雇用統計が発表されるが、賃金の伸びが前月比で鈍化する可能性があり、急速な長期金利の上昇には歯止めがかかりそうだ。その場合は、株式市場にもポジティブに作用することが予想される。

 今後、米株市場は調整を挟みながらも徐々に戻り相場の色彩を強めていくとみている。NYダウの下値は今後3月末にかけて深押しはあっても下値2万3000ドル台でとどまりそうだ。一方、上値は2万6000ドルを目指す動きが想定される。

 また、東京市場は米国市場に追随する形で上昇が見込めるが、外国為替市場でのドル安・円高基調が戻り足を鈍くする可能性はある。3月期末にかけて日経平均は、紆余曲折はあっても上値指向となり、2万3000円台を目指す展開となりそうだ。物色対象としては、内需では受注環境が良好な建設株に注目。また、円高警戒感がくすぶるなかも、需要面で裏付けのある自動車株や半導体製造装置およびその周辺部品株は、株価上昇余地がありマークしたい。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(かつらはた・せいじ)
第一生命経済研究所 経済調査部・主任エコノミスト。担当は、米国経済・金融市場・海外経済総括。1992年、日本総合研究所入社。95年、日本経済研究センターに出向。99年、丸三証券入社。日本、米国、欧州、新興国の経済・金融市場などの分析を担当。2001年から現職。この間、欧州、新興国経済などの担当を兼務。

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