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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「当然のスピード調整だが、残る2つの懸念」

株式評論家 富田隆弥

日経平均株価は9月21日に2万0481円のザラバ高値をつけた後、足踏みを続けている。その高値までわずか2週間で1242円(+6.4%)も上げ、サイコロジカルライン(25日75%)や騰落レシオ(28日130%)が過熱サインを発したことから、ここで調整を挟むのは当然だろう。年初来高値を更新して上昇基調を確認しており、2年前の2万0952円高値を目指した流れは継続中と言える。

◆一方、最高値を2万2412ドル(終値ベース)に伸ばしたNYダウも、20日まで9日続伸で日足が「九陽連」を見せただけに、その後のスピード調整はセオリー通りでもある。

◆ただし、中間期末の9月を終え、10月も順調に上昇基調が続くかは疑問だ。9月は中間期末ということで買い戻し(ショートカバー)を誘った可能性があるほか、日本郵政 <6178> の第二次売り出し(売り出し価格1322円、申し込み期間9月26~27日)があり、それをこなすために証券界が地合い作りに尽力したことも想定され、10月になるとその反動が出てもおかしくない。

◆10月といえば、カレンダーが「2日新甫」で、過去に「ブラックマンデー」など荒れたことのある月でもある。そして、先週指摘した(1)9月21日が変化日高値になった(9月8日安値→日足9本、8月29日安値→日足17本)、(2)ドル建て日経平均(28日180.2ドル)は6月高値184.49ドル、8月3日高値182.69ドルを抜いていない――この2つの懸念も残されている。

◆こうした点を踏まえると、当然のスピード調整とはいえ、10月は調整が少し長引く可能性、あるいは少し深く下げる可能性があることを承知しておきたい。下値メドは75日移動平均線や一目均衡表の「雲」(先行スパン)のある1万9900円前後で、そこまで下値模索の可能性があり、個別株は機敏な売買が求められよう。

(9月29日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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