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【市況】新興市場見通し:マザーズは出遅れ感からしっかりか、マネーフォワードなど5社IPO

マザーズ指数 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場では、投資家心理の改善を追い風にマザーズ指数は戻りを試す展開となった。日経平均が急ピッチの上昇で年初来高値を更新すると、相対的に出遅れ感のあるマザーズ銘柄に資金が向かった。日経ジャスダック平均は連日で取引時間中の年初来高値を更新した。ただ、週末には北朝鮮情勢への警戒感が再燃し、利益確定売り優勢となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.9%であったのに対して、マザーズ指数は+0.9%、日経ジャスダック平均は+0.4%だった。

個別では、ミクシィ<2121>が週間で1.1%高、そーせいグループ<4565>が同4.0%高となる一方、サイバーダイン<7779>が同1.7%安となるなど、マザーズ時価総額上位は高安まちまちだった。売買代金上位ではドリコム<3793>やメタップス<6172>などが上昇した。9月21日からのゲーム見本市「東京ゲームショウ2017」開催を前にドリコムなどのゲーム株が買われる場面があった。また、ノーベル賞関連との見方が広がったエヌ・ピー・シー<6255>や新技術への期待が再燃したASJ<2351>が週間のマザーズ上昇率上位となった。反面、電気自動車(EV)関連として人気だった大泉製作所<6618>や直近IPO銘柄のウォンテッドリー<3991>などが利益確定売りに押された。ジャスダック主力もセリア<2782>が同2.5%安、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同0.9%高とまちまちだった。また、業績予想を上方修正したパレモ・HD<2778>や好業績を評価する動きが続いた昭和真空<6384>が週間のジャスダック上昇率上位となった。一方、小田原エンジニアリング<6149>や菊水電子工業<6912>が下落率上位だった。IPOでは、20日上場のニーズウェル<3992>、22日上場のPKSHA Technology<3993>ともに公開価格の約2.3倍となる初値を付けた。人工知能(AI)ベンチャーのPKSHA Technologyはトヨタ自動車<7203>による株式取得で注目を集めた。

今週の新興市場では、マザーズ指数がしっかりとした展開となりそうだ。マザーズ指数は前週、25日線を上回る場面があったものの、なお6月に付けた年初来高値を1割以上下回る水準にあり、引き続き出遅れ感が意識されるだろう。9月末の配当権利取りの動きや臨時国会冒頭での衆院解散・総選挙を意識した政策期待の高まりも追い風となりそうだ。ただ、北朝鮮情勢は警戒材料となる可能性がある。

グローバルグループ<6189>などの子育て関連銘柄は政策の追い風期待が高まっている。なお、同社は9月29日に東証1部へ市場変更すると発表した。また、今週は9月28日にGameWith<6552>、29日にトライステージ<2178>、アクトコール<6064>などが決算発表を予定している。

IPO関連では、9月26日に壽屋<7809>がジャスダックへ、28日にロードスターキャピタル<3482>がマザーズへ、29日に西本WismettacHD<9260>が東証1部へ、テックポイント・インク<6697>とマネーフォワード<3994>がマザーズへそれぞれ新規上場する。テックポイントは初の海外企業による日本型預託証券(JDR)上場案件となる。また、マネーフォワードはフィンテックベンチャーとして注目を集めている。なお、先週はシルバーライフ<9262>(10月25日、マザーズ)、テンポイノベーション<3484>(10月25日、マザーズ)、SKIYAKI<3995>(10月26日、マザーズ)の新規上場が発表されている。

《FA》

 提供:フィスコ

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