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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 強い株は強い! 9月は主力周辺銘柄で勝負

株式アドバイザー 北浜流一郎

「強い株は強い! 9月は主力周辺銘柄で勝負」

●悪印象の8月相場、意外な底堅さ

 絶不調だった8月相場がようやく終わった。日経平均株価は月初から260円ほど下げたことになるが、冷静に振り返ると、大した下げではなかったことになる。

 500円は下げたような気がするからだ。300円以下なら調整程度の下げだったことになるのだが、問題は気分だ。

 1ヵ月にわたって下げ続けたため、マインド的にはかなりの負担になったのは事実だ。そのため、9月相場についても厳しい見方をしている投資家がほとんどだろう。

 それに9月は、毎年厳しい展開になりやすい。私は9月相場を「苦月相場」とこう表現するほどであり、今年ももちろん警戒は怠れない。9月は中間決算の月でもあり、金融機関を中心に持ち高調整のための売りが出やすいという背景がある。それだけに、気を抜くことなどできない。

 しかし、ここで敢えて指摘しておきたいのは、8月のほぼ1ヵ月続いた調整の実体だ。前述したように、それは値幅的には大したことはなかった。それでも日々の出来高は少なく、月間でみても7月に次いで少なかった。

 つまり商い閑散だったのであり、そんな中であまり下げなかったことは、東京市場は結構底堅い、こう見てよい。9月はこの点に気づいた外国人投資家や国内機関投資家が逆張りの買いを入れ始めることが考えられる。

●上昇力持続の4テーマなど柱に

 彼らの買いの対象はもちろん主力銘柄になるものの、個人としてはそれを横目で見ながらその周辺銘柄に投資するのが良策になる。

 対象としたいのはもちろん、

(1)人手不足関連
(2)リチウムイオン電池関連
(3)非鉄素材関連
(4)飲食チェーン店関連

 などでよい。これらは7~8月も強く、多くが高値圏にあるばかりか、新値更新中でもある。

 しかし、「強い株は強い」のだ。

 ということで、今回はまずは安永 <7271> 。エンジン部品の製造メーカーだが、一方でリチウムイオン電池や熱発電技術にも強い、それらの中で注目はリチウムイオン電池の長寿命化に取り組んでいることだ。

 昨年11月には従来電池の寿命を12倍長持ちさせる技術の開発に成功したことで話題になった。その時はリチウムイオン電池は市場のテーマではなかったため、株価は一時的な上昇に終わったものの、今回は主要テーマに育っているため、株価の上昇も長続きすると見てよい状況だ。

 非鉄専門商社のアルコニックス <3036> も、すでに相当高いものの、非鉄需要の拡大は簡単には終わらないと見てよく、株価はさらなる上昇余力ありだ。

 鉱山の採掘に不可欠な建設機械用の油圧回路向けフィルターで世界首位のヤマシンフィルタ <6240> も高値足踏み状態で拾っておきたい銘柄になる。

 製造業向け派遣と請け負いに強い会社の株価は総じて強く、すでにアウトソーシング <2427> を紹介したことがあるが、同社株はかなり上がってしまったため、新たにトラスト・テック <2154> だ。この株も新値更新中のため、目先小反落もあろうが、事業の拡大はなお続く可能性が高いだけに株価の有望度は変わらない。

 かつては「ドクターシーラボ」の社名で上場していて、いまはシーズ・ホールディングス <4924> に社名変更しているシーズHDも魅力的だ。海洋性コラーゲン使用の「ドクターシーラボ」が女性たちの強い支持を集め続けているからだ。

 最後にやや時間はかかるが、エステー <4951> を。家庭用消臭芳香剤の大手で、業界2位。女性社長に率いられている会社で、製品の性能が優れているだけでなく、パッケージもおしゃれなことから需要が伸び続けている。株価は底値から立ち上がったばかりであり、中長期投資なら報われる確率が高い。

2017年9月1日 記

株探ニュース

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