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【特集】大谷正之氏【どこまで続く? 灼熱のサマーラリー】(3) <相場観特集>

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

 東京株式市場は3連休明けの19日も強調展開を継続、前週の地合いを引き継ぎ日経平均株価は6日続伸で1万6700円台を回復してきた。英国のEU離脱決定でリスクオフの流れが強く意識された7月第1週(4~8日)から一転、参院選での与党大勝を受け相場の流れは大きく“強気”に傾いたようにもみえる。果たして今の戻り相場は本物か。市場第一線で活躍する証券関係者に今後の相場見通しと注目ポイントについて聞いた。

●「当面は5月31日高値の1万7251円を目指す展開」

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

 日経平均は6日続伸で1万6700円台を回復してきた。きょうの東証1部で任天堂 <7974> の売買代金が全体の4分の1近くを占める異彩の大商いとなっていることから、関連銘柄への人気波及も考慮すると「ポケモン GO効果」が全体相場上昇を牽引する要因のひとつとなっていることは確かだ。

 きょうの相場の特徴として、大型株から中小型株へと物色対象が広がりをみせていることが挙げられる。また、これまで敬遠されぎみだった半導体関連などのハイテク株や輸出関連の銘柄にも物色の矛先が向かいはじめている。これは、外国為替市場の円相場が1ドル=105~106円台で落ち着きをみせているためで、間もなく本格化する4-6月期の決算発表で、輸出関連企業の円高進行に伴うマイナス影響が、比較的軽微に収まるとの受け止めが広がってきたためとみられる。

 決算発表は輸出関連の銘柄が先行するため、実際の内容を評価して下押す場面も想定しなければならない。短期間でのかなり急ピッチな戻りとなっていることから、当面の上値メドは、5月31日高値の1万7251円程度を目指す展開が予想される。一方、下値メドは足元の25日移動平均線である1万5780円(19日)水準と判断している。

 短期間での急速な戻りとなったため、個人投資家のなかには「上昇相場に乗るタイミングを逃している」ケースも多いようだ。外国人投資家は先週からようやく買い越し姿勢に転じているものとみられるが、一時保有比率を低下させていた日本株の見直し買いは今後も継続しそうだ。根強く広がる設備投資や開発投資を支えるセクターとして工作機械計測機器関連銘柄は株価面でも注目できそうだ。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(おおたに・まさゆき)
1960年生まれ。立正大学文学部卒、83年丸和証券入社、営業を経て96年から現職。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト(CFTe)、AFP(日本FP協会認定)、(内閣府認証)NPO法人金融証券マーケットフォーラム理事。トレンドの芽をいち早くキャッチすべく、フィールド重視の調査を心がけている。

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