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【市況】米国株式市場見通し:4-6月期決算シーズンに突入


先週の雇用統計では5月に失速した非農業雇用者数が前月比28万7千人増と予想を大幅に上振れたほか、失業率も4.9%増と前月からほぼ横這いとなり、米経済への鈍化懸念がやや後退した。しかし、今回の発表内容は英国が欧州連合(EU)離脱を決定した国民投票による影響が反映されていないことに注意が必要だ。来月の雇用統計が注目されるが、それまでは今週から始まる4-6月期決算発表シーズンを受けた企業業績に投資家の関心も集まるだろう。

12日はフィリピンが申し立てていた南シナ海の領有権を巡る仲裁手続きについて、オランダのハーグ仲裁裁判所が判決を下す予定だ。判決自体に法的拘束力はないが、もしも同海域の領有権を主張する中国に不利な判決となった場合、国際社会からの圧力を受けることは確実で、米国やアジア諸国との緊張が高まる恐れがある。地政学リスクによる投資家心理の悪化に繋がれば、中国株の下落をきっかけに米国株にも影響が及ぶだろう。

11日に予定されているアルミニウム大手のアルコアから4-6月期決算発表シーズンに入る。JPモルガン・チェース(14日)、ウェルズ・ファーゴ(15日)、シティグループ(15日)などの金融各社の決算発表では、英国EU離脱の影響をどの程度、業績見通しに織り込んでいるのかに注目したい。そのほかではファストフードのヤム・ブランズ(13日)、航空会社のデルタ航空(14日)などの決算発表も予定している。決算発表シーズンに入ることで主要企業の足元の業績や見通しに注目が集まるため、株価収益率(PER)などで割高感のある銘柄の株価水準が見直されるだろう。

経済指標は、5月卸売在庫(12日)、6月輸入物価指数(13日)、生産者物価指数(PPI)(14日)、6月小売売上高(15日)、6月消費者物価指数(15日)などの発表が控えている。13日にはFOMCでの基礎資料となる地区連銀経済報告(ベージュブック)の発表も予定されている。小売売上高は2ヶ月連続で増加しており、6月の新車販売台数が10年ぶりの高水準を記録したことから、今回も好調な内容が予想される。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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