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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~金融セクターは神経質、資源・素材関連の見直しに期待

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

8日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:金融セクターは神経質、資源・素材関連の見直しに期待
■外資系証券の注文動向:差し引き120万株の売り越し
■前場の注目材料:三菱UFJ銀、国債入札の特別資格返上へ



■ 買い先行後はこう着相場が続くか

8日の日本株市場は神経質な相場展開になりそうだ。7日の米国市場はまちまちだったが、NYダウは一時18000ドルを回復するなど、強気相場入りとなっている。また、前日のイエレンFRB議長講演後にリスク許容度が改善する中、原油先物相場は50ドルに乗せて終えており、こちらも強気相場入りとの見方もされている。

一方で、週末には先物オプションSQを控えていることから、方向感が掴みづらい。また、三菱東京UFJ銀行は国債の入札に特別な条件で参加できる資格(プライマリー・ディーラー)を国に返す方向で調整に入ったと報じられている。

この報道によると、発行当局と意見交換する場に参加できるなどの特典がある一方、発行予定額の4%以上の応札を義務づけられることが重荷と伝えている。他行が追随する可能性もあるなか、債券市場の反応に市場の関心が集まりそうだ。

これがネガティブ視されるようだと、為替相場への反応、そして株式市場へのネガティブな反応も意識されやすいところ。もっともGPIFなど年金基金は脱国債の運用指針を掲げており、想定内との見方もされる。まずは市場の反応を見極めたいところだ。

物色の流れとしては、心理的には金融セクターへは売りが向かいやすい。一方で、原油相場の50ドル乗せを背景に、資源・素材関連への見直しが意識される。日本とモンゴルの間で貿易や投資の自由化を進めるEPA(経済連携協定)が発効したことも資源関連などに資金がシフトしやすいだろう。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■外資系証券の注文動向:差し引き120万株の売り越し

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り1680万株、買い1560万株、差し引き120万株の売り越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。


6月01日(水):670万株の買い越し
6月02日(木):140万株の売り越し
6月03日(金):560万株の売り越し
6月06日(月):420万株の売り越し
6月07日(火):270万株の売り越し


■前場の注目材料

・NYダウは上昇(17938.28、+17.95)・NY原油(50.36、+0.67)
・大手企業の夏賞与、8年ぶり高水準
・世銀、世界経済の見通しを下方修正
・三菱UFJフィナンシャルG<8306>の三菱UFJ銀、国債入札の特別資格返上へ


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 4月経常収支(予想:+2兆3030億円、3月:+2兆9804億円)
・08:50 1-3月期GDP2次速報(前期比年率予想:+1.9%、1次速報:+1.7%)


<海外>
・時間未定 中・5月輸出(前年比予想:-4.0%、4月:-1.8%)
・時間未定 中・5月輸入(前年比予想:-6.8%、4月:-10.9%)

《WA》

 提供:フィスコ

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