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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~消費増税再延期の市場判断を見極め

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

1日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・消費増税再延期の市場判断を見極め
・ドル・円は110円64銭付近、ドルもみあい、株価にらみの展開続く
・ファーストリテ<9983>、株価は節目の30000円を前にもみあい



■消費増税再延期の市場判断を見極め

日経平均は反落。97.38円安の17137.60円(出来高概算8億8000万株)で前場の取引を終えた。連休明けの米国市場がまちまちだったほか、円相場が1ドル110円70銭辺りとやや円高に振れて推移していること、原油相場の下げの影響もあり、幅広い銘柄に利益確定の売りが先行した。

しかし、寄り付き直後に17067.00円まで下げた後は、17100円台でのもち合いなど、下値の堅さが意識されている。セクターでは海運、情報通信、銀行、輸送用機器、保険などがしっかり。一方で、電力ガス、陸運、空運、鉄鋼、水産農林、建設、医薬品などが冴えない。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1000を超えており、全体の過半数を占めている。規模別指数は大型、中型、小型株指数いずれも下げているが、小型株指数の下げは相対的に小さい。売買代金上位ではトヨタ自<7203>、ソフトバンクグ<9984>、新日科学<2395>、ADWAYS<2489>、スズキ<7269>、エディア<3935>が堅調。半面、SOSEI<4565>、ブランジスタ<6176>、武田薬<4502>が小安い。

日経平均は17000円を上回っての推移が続いており、底堅さが意識される。調整ながらも、価格帯別出来高で商いが膨れていた水準が支持線に変わっており、センチメントは明るいだろう。

後場も同水準での推移が続きそうだが、安倍首相は、来年4月の消費税率の引き上げを再延期する方針を表明する。消費増税の延期によって税収が伸びず、財政健全化が進まない可能性から日本国債の格下げリスク等が警戒されてくる可能性はある。しかし、格下げリスクを織り込み、増税再延期を評価してくる可能性は十分ある。底堅い状況が続くと、大引けにかけてショートカバーを挟んでのリバウンドが強まる展開も意識されよう。


(株式部長 村瀬智一)



■ドル・円は110円64付近、ドルもみあい、株価にらみの展開続く


1日午前の東京外為市場で、ドル・円はもみあう展開となった。具体的な手がかりが乏しく、株価にらみの展開が続いた。

ドル・円は日経平均株価の下落を受け、一時110円42銭まで値を下げた。その後は株価の下げ幅縮小に伴い、ドルは110円70銭付近まで値を戻す展開。足元で具体的な手がかりが乏しいため、日経平均株価などに振らされやすい地合いとなっている。

足元では個人のドル買いなどが観測されるほか、ランチタイムの日経平均先物は底堅い値動きとなっている。また、日経平均の下げ幅縮小や中国本土株の続伸期待を背景に、目先はリスク選好的なドル買いが予想される。

ここまでドル・円は110円42銭から110円83銭、ユーロ・ドルは1.1117ドルから
1.1137ドル、ユーロ・円は122円94銭から123円32銭で推移した。

12時25分時点のドル・円は110円64銭、ユーロ・円は123円03銭、ポンド・円は160円27銭、豪ドル・円は80円05銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄

・値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、1銘柄で約16円の押し上げ
・ファーストリテ<9983>、株価は節目の30000円を前にもみあい
・三菱商事<8058>、ソニー<6758>など12社の目標株価変更


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・通常国会会期末


<海外>
・14:45 スイス・1-3月期GDP(前期比予想:+0.3%、10-12月期:+0.4%)

《WA》

 提供:フィスコ

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