市場ニュース

戻る
 

【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:伊勢志摩サミット、イエレンFRB議長講演、ソニー業績見通し

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

 


■株式相場見通し

予想レンジ:上限17000-下限16500円

来週は26-27日に伊勢志摩サミットが開かれる。先週は政策期待が相場の底堅さにつながっていたが、今週も政策期待相場が続くことになりそうである。またサミット後にも安倍首相が決断するとみられている消費増税の実施の有無に向けて、増税延期観測が高まっており、思惑が強まりそうである。

また、米国ではFOMC議事録や連銀総裁の発言等により、早期利上げへの思惑が高まっている。今週も連銀総裁の講演が相次ぐほか、27日にイエレンFRB議長講演が予定されている。利上げへの見方が強まるようだと、為替市場ではドル高・円安が意識され、相場の下支えとなろう。20日からのG7財務相会議で、通貨安競争を回避するとの原則を確認。焦点となった「財政出動」を巡って、各国の足並みは揃わなかったが、独財務相は先日、財政出動について不要の認識を示していたこともあり、想定内である。

日経平均は16500-16800円辺りでのもち合いが続いている。上値の重さが意識されると考えられるものの、SQ値およびレンジ突破を意識したスタンスとしておきたい。その他、ソニー<6758>が今期見通しを公表する。熊本地震の影響で発表を延期していたが、アク抜けにつながるかが注目される。同社はAI、自動運転、ドローン、VRといった材料が豊富でもあり、高値を窺う展開となれば、市場のセンチメントを明るくさせよう。

米国では半導体製造装置のアプライド・マテリアルズの予想を上回る決算が好感され、20日の米国市場ではハイテク株への物色が広がっていた。ハイテク株への見直しの流れが波及することで、日経平均を下支えする可能性も期待されよう。


■為替市場見通し

来週のドル・円は、ややしっかりとした動きになりそうだ。米6月利上げの可能性が高まっており、短期的にはややドル高・円安方向に振れる見通し。1ドル=110円台では顧客筋などのドル売り注文が残されているもようだが、ドル売りが一巡すれば、4月28日のドル急落前の水準である1ドル=111円台半ば付近を目指す展開になると予想される。26-27日に開かれる主要7カ国首脳会議(伊勢志摩サミット)で成長を支援する投資拡大の重要性について議論されるとの思惑もドル買い・円売り材料になるとみられている。

ただし、米金利上昇に対する警戒感が広がり、アジア、欧米諸国の株価が大きく下げた場合、リスク回避的な円買いが再び広がる可能性は残されている。ドル安・円高が進行しても日本はただちに為替介入(円売り介入)できないとの理由で円高が進みやすくなるリスクがあることには注意が必要だ。



■来週の注目スケジュール

5月23日(月):貿易収支、独製造業PMI、ユーロ圏製造業PMI速報値など
5月24日(火):ソニー業績見通し、独1-3月GDP改定値、米新築住宅販売件数など
5月25日(水):独IFO景況感指数、米MBA住宅ローン申請指数など
5月26日(木):伊勢志摩サミット、米耐久財受注、英1-3月GDP改定値など
5月27日(金):消費者物価指数、中工業利益、米1-3月GDP改定値など

《TM》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均