【特集】【中国の視点】中国経済、産業空洞化と内需不足で一段成長鈍化も
中国政府はこのほど、今年1-3月期の経済指標がほぼ予想通りの結果で着地し、景気底打ちに対する自信を強調した。
一方、専門家は、1-3月期の経済指標の回復について、不動産投資の拡大や成約件数の急増などが寄与したもので、それ以外の回復が確認されていないと指摘した。
また、人件費の上昇などに伴い、中国が産業空洞化危機に直面していると警告されている。調査によると、中国における各業種の最低賃金は平均でインドネシアを5-44%上回っており、インドネシアの給与水準はASEANの中で最も高いという。こうした状況を受け、中国企業を含む世界の大企業が相次いで製造拠点を中国からASEANなどへの移転を検討している。
これに加え、腐敗取締りの強化や産業モデルの転換を受け、内需の大幅な落ち込みが確認されていると警告されている。一部では、不動産の投資拡大が継続しなければ、中国経済の成長率が一段と鈍化する恐れがあるとの見方が浮上している。
なお、1-3月期の新規貸出の中、中長期ローンのうち、半分以上は住宅ローンが占めていたと報告されている。住宅ローン以外の実体経済の資金需要は引き続き弱い水準にとどまっている。
《ZN》
提供:フィスコ