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【経済】NYの視点:4月FOMC、6月利上げの強いシグナル送ることは回避か


米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を26-27日に予定している。市場は、FOMCが政策金利であるFF誘導目標レンジを現行0.25-0.5%で据え置くとみている。今回の会合では、イエレンFRB議長の会見やスタッフの見通しが発表される予定はない。

本年に入り、連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長を始め、連邦公開市場委員会(FOMC)声明の中でも金融政策決定において世界経済動向を最優先に考慮する方針に転換されている。6月に英国の欧州連合(EU)離脱の是非をめぐる国民投票を控えて、6月の追加利上げを示唆する強いシグナルを送ることも回避する可能性がある。英国のEU離脱は英国、欧州だけでなく、世界金融にも混乱をもたらす危険性が警戒されている。最近の米国経済指標も冴えなく、追加利上げを見送る要因となり得る。当初2%超えの成長が予想されていた1-3月期国内総生産(GDP)も0.6%成長と低成長にとどまる公算。

世界経済への警戒感が完全に払しょくしておらず、FOMCは4月会合でも引き続き追加利上げに慎重な方針を維持する見込み。新興市場などの混乱は、年初に比べ落ち着きを取り戻したものの、3月会合から見通しが大幅に変更される可能性は少ないとみられる。従って、声明も3月と類似したものにとどまると予想され、中立または若干ハト派よりの姿勢を維持する可能性が強い。新興市場の安定などを受けて、声明では1月、3月会合時と同様、世界経済/金融市場の展開(global economic and financialdevelopments)の文言を維持するかどうかが焦点となる。この文言が維持された場合にはFOMCが引き続き利上げに慎重な方針を維持することになる。万が一、文言が削除された場合には、FOMCがリスクが後退と判断し、今後の利上げに積極的に動くとの見通しを強め、ドル買いに拍車をかける可能性がある。

《NO》

 提供:フィスコ

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