【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):損保JPNK、HIOKI、トヨタ、パナソニック
損保JPNK <日足> 「株探」多機能チャートより
損保ジャパン日本興亜ホールディングス<8630>や東京海上ホールディングス<8766>、MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725>など大手損保株が急落。熊本県熊本地方を中心に襲った地震の被害が拡大しており、大手損保各社には保険金の支払い発生による業績悪化を懸念する売りが膨らんでいる。
■HIOKI <6866> 2,231円 -125 円 (-5.3%) 本日終値
HIOKI<6866>が4日ぶりに大幅反落。同社は15日引け後、16年12月期第1四半期(1~3月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比5.9%増の51億9200万円、営業利益は同3.8%減の8億2900万円となった。新規顧客開拓や新製品の拡販活動を進めたことにより、国内売上高は順調に推移したほか、海外市場ではHIOKIブランドの浸透、顧客密着営業に注力した結果、増収となった。ただ、利益面では円高の影響、減価償却費の増加などが重しとなった。
■Jフロント <3086> 1,416円 -74 円 (-5.0%) 本日終値
J.フロント リテイリング<3086>が急落。野村証券では、百貨店販売は厳しさを増しているものの、得意の要員改革など経費削減やパルコ<8251>の安定収益で短期業績の底堅さは維持されると指摘。中期的には、都市再開発のパイプラインが豊富と評価し、定借契約による不動産事業への構造変化を伴いながらの収益拡大が予想されると解説。レーティング「バイ」を継続、目標株価は2250円から1800円に引き下げている。
■トヨタ自動車 <7203> 5,467円 -273 円 (-4.8%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>は大幅安。熊本県を震源に連続的に発生した大規模な地震で大手製造業各社の現地工場が被災し、生産停止の動きが広がりをみせている。そのなか、同社も部品供給に支障が出ていることを背景に国内の完成車組み立て工場の多くを18日から23日まで段階的に停止することを発表しており、これを受けて下値模索の動きを余儀なくされている。外国為替市場で1ドル=108円台前半と円高が進行していることも売りを助長している。同社は輸出企業のなかでも特に為替感応度が高く、年間ベース1円の円高で営業利益は400億円押し下げ要因となるだけに、足もとのドル円相場の動きは株価も神経質とならざるを得ない。なお、きょうは同社株だけでなく、日産自動車<7201>、富士重工業<7270>などもウリ気配で始まるなど大手自動車株に売り圧力が際立つ。
■さくらインターネット <3778> 1,172円 -58 円 (-4.7%) 本日終値
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、「中小型株への追い風は続く」という題名のアナリストリポートをリリース。東証マザーズ指数の上昇が話題になるように、市場は大型株から中小型株への資金シフトがあるとみられている。同証券がリリースしたリポートによると、「公的年金のアクティブファンド採用結果などを受け、より『尖った』運用を行うため、アルファを中小型株に求める動きが国内の主要運用機関を中心に既に始まっている可能性を示唆している」と中小型株投資への可能性を踏まえ銘柄リストを作成している。JEFFスコア上位20%銘柄を対象とした直近3カ月間の騰落率ランキングには、さくらインターネット<3778>、スターフライヤー<9206>、平田機工<6258>、ハンズマン<7636>、ジェイコムHD<2462>などリターン上位25銘柄をリストアップ。ハローズ<2742>、FFRI<3692>、ウェッジHD<2388>、セイコーHD<8050>、竹内製作所<6432>などマイナスリターン上位25銘柄をリストアップして検証している。
■イオンファンタジー <4343> 2,174円 -103 円 (-4.5%) 本日終値
イオンファンタジー<4343>が反落。いちよし経済研究所では、17年2月期の会社計画は保守的と指摘。国内では既存店の業績モメンタムの改善やファンフィールドのリニューアル及びシナジーなどが見込まれるとして、海外ではこれまで実施してきた積極出店戦略が実を結び、中期的な収益拡大局面に入ったと解説。中国における「一人っ子政策」の完全廃止も、今後の追い風として期待できるとみて、レーティング「A」を継続、フェアバリューを2500円から3000円に引き上げている。
■パナソニック <6752> 953.3円 -44.3 円 (-4.4%) 本日終値
パナソニック<6752>が続落。ドイツ証券は15日、同社株の目標株価を1600円から1400円に引き下げた。投資判断の「バイ」は継続した。同証券では、16年3月期の連結営業利益予想を4319億円から4108億円に引き下げた。オートモーティブ&インダストリアル(AIS)事業の見通しを下方修正した。また、17年3月期の業績予想も固定費の増加を織り込み引き下げた。ただ、白物家電やアビオニクス、ネットワークカメラ、車載用二次電池が利益成長をけん引するとして、18年3月期以降は再び利益成長フェーズに入るとみている。
■アイシン精機 <7259> 4,075円 -175 円 (-4.1%) 本日終値
アイシン精機<7259> が大きく売りに押され、一時4000円大台を割り込んだ。熊本県熊本地方を震源とする連続的な地震で同社関連子会社にもボディ部品やエンジン部品などの供給がストップするなどの被害が出ている。同社では18日付で子会社3社のうち2社の操業が停止していることを発表しており、これによる収益デメリットを懸念する売りがかさんでいる。
■住友金属鉱山 <5713> 1,151円 -48 円 (-4.0%) 本日終値
野村証券の日本株投資戦略では、4~6月の日本株は業績モメンタムが鈍化するなか、政策期待から反発に向かうと予想。投資戦略としては、これまで推奨してきた国内生産回復関連、民間設備投資関連、リフレ関連、割安グロースに、市況関連を織り交ぜつつ、その先の民間消費回復に注目するタイミングをうかがいたいと解説。今月の参考ポートフォリオでは、市況業種への傾斜を強めるために住友金属鉱山<5713>と商船三井<9104>を、季節性の観点から王子ホールディングス<3861>とキリンホールディングス<2503>を、長期投資の観点からアンリツ<6754>を組み入れ。割安なサブセクターが見当たらなかった15年央と比べると、「海外市場との比較で割安なサブセクターが随分と増えている」との見解を示している。
■JT <2914> 4,588円 -180 円 (-3.8%) 本日終値
JT<2914>が続落。同社が15日発表した3月の国内紙巻たばこ販売実績速報で、販売数量は前年同月比18.9%増の106億本、売上収益は同18.2%増の602億円と突発的に急増した。販売数量、売上収益ともに前年同月を大幅に上回る結果となったが、これは4月の「メビウス」などの販売価格値上げを前に、駆け込み需要が反映されたもの。4月は当然ながら反動減が予想されることで、これを材料視する買いは入っていない。なお、1~3月累計では販売本数が6.7%増、売上収益が6.8%増となっている。
●ストップ高銘柄
日本鋳鉄管 <5612> 191円 +50 円 (+35.5%) ストップ高 本日終値
ネポン <7985> 192円 +50 円 (+35.2%) ストップ高 本日終値
コーアツ工業 <1743> 311円 +80 円 (+34.6%) ストップ高 本日終値
ヤマックス <5285> 361円 +80 円 (+28.5%) ストップ高 本日終値
富士ピー・エス <1848> 399円 +80 円 (+25.1%) ストップ高 本日終値
など、26銘柄
●ストップ安銘柄
ナガオカ <6239> 704円 -150 円 (-17.6%) ストップ安 本日終値
レイ <4317> 523円 -100 円 (-16.1%) ストップ安 本日終値
以上、2銘柄
株探ニュース