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【市況】米国株式市場見通し:1-3月期決算が本格化

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

先週はベージュブックや3月小売売上高など複数の経済指標が発表されたものの、強弱が入り混じる内容で、米国経済に対する見方や金融政策の見通しが大きく変化するには至らなかった。一方で、世界経済の見通しに関してはIMFが下方修正を行うなど依然として警戒感が強まっている。来週は住宅関連指標の発表が多く予定されているが、4月の利上げ可能性が低く、6月のFOMCまでは時間があることから、米国のファンダメンタルズや金融政策に影響を与える材料とはなりにくいだろう。

今週から主要企業の1-3月期決算発表が本格化する。ハイテク銘柄では、ITサービスのIBM(18日)、半導体のインテル(19日)、検索サイトのヤフー(19日)、半導体のクアルコム(20日)やAMD(21日)、ソフトウェアのマイクロソフト(21日)などの決算が控えている。IBMはハードウェア事業などの低採算事業を売却することで事業構造の転換を図っているが、15四半期連続の減収となっており、今回も売上高の低迷やドル高の影響が予想される。新たに成長分野と定めたクラウド、アナリティクス、エンゲージメント(モバイル・ソーシャル・セキュリティ)の3分野の業績に注目したい。

他の主要企業では飲料メーカーのコカコーラ(20日)、クレジットカードのアメリカン・エキスプレス(20日)、ファストフードのヤム・ブランズ(20日)、通信のベライゾン(21日)、コーヒーチェーンのスターバックス(21日)、自動車のGM(21日)、ファストフードのマクドナルド(22日)などの決算も控えている。アメリカン・エキスプレスは会員制卸売コストコ・ホールセールとの独占契約終了や、電子決済関連事業の台頭で手数料の引き下げ圧力が激化するとの懸念があるものの、小規模企業や個人事業主による利用額の占める割合が大きい中核事業の業績に注目したい。

2月中旬から米国株式相場は反発基調にあり、年初来でダウ平均株価やS&P500平均は年初来で上昇に転じた一方で、ナスダック総合指数はマイナスのままである。米国の確定申告期限である18日を通過したことで当面、節税目的で拠出された退職積立資金が株式市場に流入しやすい時期となる。今後はハイテクなどの成長株に買いが広がり、ナスダック総合指数も年初来で上昇へと転じるかどうかが焦点となる。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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