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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):キユーピー、アダストリア、ソフトバンク、ソニー

キユーピー <日足> 「株探」多機能チャートより
■キユーピー <2809>  2,791円  +302 円 (+12.1%)  本日終値  東証1部 上昇率トップ
 キユーピー<2809>がマドを開けて続伸。4日引け後、16年11月期第1四半期(15年12月~16年2月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比2.3%増の1321億4000万円、営業利益は同18.9%減の43億5000万円で着地した。調味料事業やタマゴ事業、サラダ・惣菜事業などが好調に推移したことにより増収となったとしており、好感されているようだ。ただ、営業・経常利益では減益となったものの、総コストの改善や海外展開の伸張が利益増加に貢献したが、減価償却方法の変更に伴う残存簿価の一括償却を行ったためとしており、特段悪材料視されていないようだ。このほか、純利益は前年同期にアヲハタ<2830>の連結子会社化による特別利益の反動で前年同期比52.7%減の23億9100万円となった。

■ナガイレーベン <7447>  2,319円  +185 円 (+8.7%)  本日終値  東証1部 上昇率2位
 4日、医療用白衣最大手のナガイレーベン <7447> が決算を発表。16年8月期第2四半期(15年12月-16年2月)の連結経常利益が前年同期比11.7%増の11.3億円に伸びて着地したことが買い材料視された。主力のヘルスケアウエア、ドクターウエアに加え、患者ウエアの販売が好調で、13.3%の大幅増収を達成したことが寄与。なお、上期(15年9月-16年2月)の連結経常利益は前年同期比16.3%減の17億円に減少して着地。原材料高や円安進行の影響で採算が悪化したことが響いた。

■東洋紡 <3101>  177円  +10 円 (+6.0%)  本日終値  東証1部 上昇率3位
 東洋紡<3101>がマドを開けて続伸し年初来高値を更新。SMBC日興証券はリポートで、短期的な視点では超複屈折フィルム「SRF」の市場浸透加速により17年3月期の増益確度が高く、中長期的な観点からもエアバッグ基布や神経再生誘導チューブ「ナーブリッジ」といった成長ポテンシャルの大きい製品群を擁する点を前向きに評価し、セクター内のトップピックの一つに位置付けると解説。投資評価「1」(アウトパフォーム)を継続し、目標株価を210円から240円へ引き上げている。

■アダストリア <2685>  3,685円  +195 円 (+5.6%)  本日終値  東証1部 上昇率5位
 アダストリア<2685>が3連騰。4日の取引終了後に発表した17年2月期の連結業績予想が、売上高2089億円(前期比4.4%増)、営業利益170億円(同6.2%増)、純利益100億円(同9.6%増)と増収増益を見込んでいることが好感されている。グローバルワーク、ニコアンドなど基幹ブランドを中心に出店を強化する一方、店頭情報を起点とした企画・生産・販売の全プロセスを見直して効率化を進めるとともに、品質向上やコストダウン、リードタイムの短縮などに取り組むとしている。なお、16年2月期連結決算は売上高2000億3800万円(前の期比8.4%増)、営業利益160億400万円(同2.7倍)、純利益91億2200万円(同18.1倍)だった。また、期末配当は従来の70円から90円に引き上げ、年間配当は130円。17年2月期は75円を予定している。また、同時に発表した3月の国内月次売上高で、既存店売上高が前年同月比4.0%増と4カ月連続で前年実績を上回ったことも好材料視されている。前月に続き全国的に気温の変動が大きかったものの、好天に恵まれたことが寄与したという。

■アンジェス MG <4563>  659円  +32 円 (+5.1%)  本日終値
 アンジェス MG<4563>が急伸。遺伝子医薬に強みを持つ創薬ベンチャーでバイオ株人気に乗っている。岩井コスモ証券は4日、同社株の投資判断を新規「A」とし目標株価を620円に設定した。「HGF遺伝子治療薬」や「NF-kBデコイオリゴDNA」などがフェーズ3の最終段階にあり、遺伝子医薬品としての販売が視野に入っていることが注目されている。15年12月期は41億円の営業赤字であり、16年12月期も申請に向けた費用の増加などにより、赤字幅は拡大する見通しだが、販売承認申請が間近と思われる開発パイプラインは豊富。遺伝子医薬の分野で高い技術力を有しており、中長期的な高い成長力を評価している。

■ビルファンド <8951>  689,000円  +15,000 円 (+2.2%)  本日終値
 日本ビルファンド投資法人<8951>が続伸。クレディ・スイス証券は、同投資法人が3月30日に「上野イーストタワー」の共有持分60%を6月1日付で取得することを発表したことを受け、同物件の収益寄与は、同証券が前回発行した業績予想に含まれていなかったため、今回はそれを加味して微調整したとのリポートをリリース。目標投資口価格を67万5000円から71万3000円に引き上げるも、投資口価格は適正な水準にあるとみて、投資評価は「ニュートラル」を継続している。

■日本水産 <1332>  584円  +12 円 (+2.1%)  本日終値  東証1部 上昇率10位
 日本水産<1332>が続伸。テクニカル的にも日足一目均衡表で目先雲抜けを果たし、中段もち合いを離れる動きをみせている。市場では「為替の円高進行が足かせとなって主力の自動車や電機セクターを回避する動きが強い。そのなか、ディフェンシブ的要素を持つ水産株は相対的に買いやすさがある。ファンダメンタルズ面でも同社は冷凍食品など値上げ効果が発現している。また、有利子負債が多く、マイナス金利導入が、不動産株と同様の背景でプラスに働いている」(国内ネット証券大手)との指摘が出ていた。動脈硬化や生活習慣病予防などに効果があるEPA(エイコサペンタエン酸)の研究開発を進捗させており、生産工場の新設など高濃度のEPA量産に注力の構えをみせ、これも買いの有力な手掛かりとなっている。株式需給面では、直近は売り残増加で信用倍率が1.7倍弱と取組が改善していることもプラス材料。

■大東建託 <1878>  16,295円  +315 円 (+2.0%)  本日終値
 大東建託<1878>が続伸。同社は4日、3月の月次業績速報を発表。建設事業の受注高は1135億1100万円(前年同月比23.7%増)となり、2カ月連続で前年実績を上回った。また、不動産事業では入居者斡旋件数が3万9507件(同2.2%増)に伸長。家賃ベース入居率は、居住用と事業用をあわせ96.97%(同0.15ポイント上昇)となっている。

■ソフトバンクグループ <9984>  5,505円  +56 円 (+1.0%)  本日終値
 ソフトバンクグループ<9984>が高い。日経平均はきょうの安値まで3日間合計で1000円超の急落をみせているが、そのなか先物主導の裁定売りの影響を受けやすい同社株がこれに逆行して3日続伸していることは特筆に値する。同社は5日前場取引終了後に人工知能(AI)を活用したサイバー攻撃対策サービスの提供を開始することを発表、これが株価上昇を後押ししている。出資先の米ITベンチャーと合弁企業を設立、高度化する近年のサイバー攻撃にAIを駆使して情報漏洩などを防止する。足もとはこれを材料視する買いを呼び込んでいるもようだ。

■ソニー <6758>  2,882.5円  +22 円 (+0.8%)  本日終値
 ソニー<6758>が全般下げ相場に逆行して続伸。外国為替市場で円高が進行するなか、主力輸出株は特に売り圧力の強い環境を強いられているが、そのなかで同社株の強さは目を引く。これについて市場関係者は「同社はエレクトロニクス業界のなかでも円高抵抗力があるとはいえないが、円高デメリットを考慮しても巨額損失が一巡していることで利益回復歩調に変化はない。17年3月期も増益で着地する公算が大きいとみられており、(減益決算の懸念が大きい)自動車株などと比較しても相対的に優位にある」(国内大手証券投資情報部)と指摘されている。

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