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【特集】SDエンター Research Memo(5):店舗のスクラップアンドビルドを進めるGAME事業


■事業部門別動向

(3) GAME事業

GAME事業のスタンスは従来と変わっていない。業界全体が縮小傾向の中、体力に比較的余裕のあるSDエンターテイメント<4650>は残存者利益を目指して有望物件があれば積極的に出店し、他方、自社物件の中でも非効率な店舗は閉鎖を断行するというものだ。この基本方針に基づき、同社は2016年3月期中において3店舗を開店し、2店舗を閉鎖する計画だ。

店舗のスクラップアンドビルド以外にも同社は、札幌市内の主力店舗で大規模改装に踏み切った。改装のポイントは、朝までの営業時間延長を優先して風営法対象外となる機器の設置を行ってきたものを、風営法対象となっても集客の見込める機器を設置することを優先することに戦略変更を行う点だ。深夜帯の来店客数が減少している現状に対応するのが狙いだ。改装に当たっては、休業による機会損失、一度離れた客を取り戻すためのキャンペーン費用など、業績への影響は大きかったが、改装が完了した2016年1月からは徐々に改装効果が顕在化してくると期待される。

前回のレポートで紹介した遠隔操作型クレーンゲーム事業は、「ぽちっとクレーン」のサービス名で1月25日から開始された。現時点では特段の広告宣伝は行っていないが、開始後3日間で約500名が会員登録するなど、まずは順調な滑り出しとなったもようだ。今後はオリジナル景品開発などで景品の充実や広告宣伝活動を行って、収益貢献事業に育成していく予定だ。

GAME事業の2016年3月期第3四半期(単独)の業績は、32百万円の営業損失となった。これは前述した改装に伴う休業損失が理由だ。既存店の中では2ケタの既存店増収率を記録する店舗も複数あり、同社の残存者利益を狙う戦略は一定の効果を出している。休業損が消え、かつ、スクラップアンドビルドの効果も出ると期待される第4四半期(2016年1月ー3月期)の収益状況を見守りたい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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