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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~メガバンクや通信株の動向に注目


12日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・メガバンクや通信株の動向に注目
・ドル・円は112円43銭付近、一時111円台、株安で警戒続く
・日経225採用銘柄のうち値上がりは京セラ<6971>、サッポロHD<2501>のみ


■メガバンクや通信株の動向に注目

日経平均は大幅に続落。838.74円安の14874.65円(出来高概算22億4000万株)で前場の取引を終えた。2014年10月21日以来となる15000円を割り込んでいる。11日の海外市場では、欧州主要行の業績悪化懸念から欧州株が全面安となったほか、米国では前日のイエレンFRB議長の議会証言を受けて海外経済や米国景気の動向に警戒感が強まった。さらに原油先物相場が26ドル台と一段安となったほか、為替市場では日本の祝日で商いが細る局面での円急騰となり、一時1ドル110円台を付けていた。これらに加えて、オプションSQに絡んだ商いの影響もあり、幅広い銘柄に売りが先行した。

節目の15000円割れでいったんは下げ渋りをみせたが、再び15000円を割り込むと、前引けにかけてじりじりと下げ幅を広げている。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1880と全体の97%を占める全面安商状に。セクターでは33業種全てが下げており、その他金融、証券、海運、ゴム製品、情報通信、輸送用機器、化学、非鉄金属、医薬品、ガラス土石などの弱さが目立つ。規模別指数は大型、中型、小型株指数いずれも大きく下げている。

日経平均は約1年4ヶ月ぶりに節目の15000円を割り込んでいる。急ピッチの下げに対する自律反発も意識されやすいところではあろうが、週末要因のほか、原油相場や来週の春節明けの中国市場の動向への警戒もあり、様子見姿勢の強い相場展開になりそうだ。ただし、三菱UFJ<8306>が一時プラス圏を回復する場面もみられており、下げ渋りを見せてきている点は材料視されやすいだろう。

また、相対的に堅調さが目立っていた通信株の一角がきつい下げとなっているが、NTTドコモ<9437>、NTT<9432>などは信用倍率が1倍を下回る売り長の需給でもあり、一段と取り組みに厚みが増している需給状況と考えられる。この辺りが下げ止まりをみせてくるようだと、次第に押し目拾いの動きが広がりをみせてくる可能性はありそうだ。

(株式部長 村瀬智一)


■ドル・円は112円43銭付近、一時111円台、株安で警戒続く

ドル・円は112円43銭付近で推移。日経平均株価の15000円割れなどを嫌気した値動き。

ドル・円は112円前半で取引されたが、日経平均が節目の15000円を割り込んだほか、日銀の黒田東彦総裁が国会でマイナス金利の「効果」について言及したことが嫌気され、ドルは一時111円91銭まで売り込まれた。

日経平均株価は前営業日比800円超下げたほか、ランチタイムの日経平均先物は軟調推移となっているため、引き続きドルには下落圧力が強い。足元ではドルは112円30銭付近まで値を戻しているが、株価が一段安となれば再び111円台となろう。

12時27分時点のドル・円は112円43銭、ユーロ・円は127円14銭、ポンド・円は162円63銭、豪ドル・円は79円91銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・KDDI<9433>、ソフトバンクグ<9984>、ファナック<6954>で日経平均を約121円押し下げ
・日経225採用銘柄のうち値上がりは京セラ<6971>、サッポロHD<2501>のみ
・投資判断引き上げのTHK<6481>がしっかり


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・特になし

<海外>
・中国休場(春節、8日-13日)
・16:00 独・10-12月期GDP速報値(前期比予想:+0.3%、7-9月期:+0.3%)
・16:00 独・1月消費者物価指数改定値(前年比予想:+0.5%、速報値:+0.5%)

《SY》

 提供:フィスコ

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