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【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:マイナス金利政策、原油底入れ、円安ドル高


■株式相場見通し

予想レンジ:上限18500-下限17500円

来週は、マイナス金利の効果と、副作用を整理する必要があるため、市場の反応を見極めながらの相場展開になりそうである。もっとも、原油相場に底入れ感が出てきていることもあり、目先はリバウンドを意識した相場展開が期待されやすいだろう。これまでの一番のネックは原油相場の不安定さと、これに伴う政府系ファンドによる資産圧縮の動きであったからだ。

2月に入りイランの輸出再開が始まることになろうが、ロシアのノバク・エネルギー相は、世界の主要産油国は低迷する原油価格を押し上げる方法を模索するため、2月にも石油輸出国機構(OPEC)や他の主要産油国との会合で減産を協議する可能性があると伝えられている。原油先物市場では20-25ドルでのプットオプションが積み上がっていることもあり、底入れからの反発が本格化してくるようだと、ショートカバーを誘発させることになり、市場へは好インパクトを与えてくることが期待される。

その他、経済指標では1日に1月の中国製造業PMI、米ISM製造業景況指数のほか、2日に発表される米1月の新車販売台数や、3日に発表される米1月のADP雇用統計及びISM 非製造業景況感指数、5日に発表される米1月の雇用統計などが注目される。

中国の製造業PMIについては、前月比で低下が見込まれている。上海指数の弱気トレンドが継続しているなか、UBSグループは今後強制的な売りが大量に出てくる可能性を指摘しており、2500での底打ちを予想。連動性は薄れているものの、中国関連への重石になろう。

ADP雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比で減速と予想されているが、FOMC声明で3月利上げ観測が維持されており、金利の先行き見通しへの影響はないだろう。また、米大統領選は1日、中部アイオワ州での党員集会で民主、共和両党の候補者選びが正式に始まる。米国市場の方向性や物色対象に変化が見られる可能性は注視しておく必要がある。

とはいえ、日銀のマイナス金利導入により、しばらくは日本に関心が集まりやすいと考えられる。なお、一般的に、金利の高い国に資金は流入する傾向があると考えられており、日本よりも金利の高い米国等にシフトすることで、円安ドル高に傾きやすくなる。年初からの円高加速によって業績悪化懸念等も高まっていたが、マイナス金利政策導入により、海外比率の高い企業を見直す流れが強まりやすいだろう。




■為替市場見通し

来週のドル・円は、底堅い動きを続ける見込み。日本銀行は当座預金の一部にマイナス金利の適用を決定した。日銀の当座預金から流出した資金がリスク資産に向かう可能性があるとの思惑が広がっており、ドル高・円安の相場展開が予想される。

なお、市場関係者の間からは、1ドル=119円が当面の下値目途になるとの声が聞かれている。原油先物が弱含みとなった場合や1月の米雇用統計が低調な内容だった場合、年4回の利上げペースに対する懐疑的な見方が再び強まる可能性はあるものの、日本銀行は2%物価目標の実現に必要な場合は追加的な金融緩和措置を講じるとみられている。このため、ドル安・円高が急速に進行し、119円を短期間で下回る可能性は低いとみられる。



■来週の注目スケジュール

2月1日(月):新車販売台数、中製造業PMI、米個人所得、米大統領予備選など
2月2日(火):日銀国債保有残高、ユーロ圏生産者物価指数、米自動車販売など
2月3日(水):黒田日銀総裁会見、中財新総合PMI、米ADP全米雇用報告など
2月4日(木):新車車名別販売、BOE政策金利、米新規失業保険申請件数など
2月5日(金):景気動向指数、独製造業受注、米非農業部門雇用者数など

《TM》

 提供:フィスコ

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