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【市況】自社株買いなど企業の株価対策が相次ぐ可能性【クロージング】


21日の日経平均は大幅続落。398.93円安の16017.26円(出来高概算31億8000万株)で取引を終えた。終値ベースでの16100円割れは14年10月30日以来となる。20日の米国市場では、NYダウが一時565ドル安と昨年8月安値水準まで下げる場面もあった。ただし、引けにかけて下げ幅を縮小し、249ドル安で取引を終えた。

この引けにかけての下げ幅縮小が安心感にもつながっており、日経平均は前日の600円を超える下げに対する自律反発の流れが先行した。その後も原油価格の落ち着きや為替の円高一服、さらに中国では中国人民銀が7兆円供給を行ったことを受けて上海指数がプラスに転じ、日銀の追加緩和期待なども高まる中、一時16734.58円まで上げ幅を拡大させる場面もみられた。

しかし、原油価格が再び弱含みとなったほか、上海指数も下げに転じる中、急速に値を消す展開に。しばらくは前日終値を挟んでの攻防が続いていたが、ソフトバンクグ<9984>が下げに転じるなど、指数インパクトの大きい銘柄がインデックス売りを浴びており、結局日経平均は16000円割れ寸前まで下げ、本日の安値で取引を終えた。

明日も16000円処での攻防になりそうだが、まずは欧州中央銀行(ECB)理事会を受けた欧米市場の動向が注目されよう。ECB理事会を受けてリバウンドをみせてくるようだと、日本市場も安心感につながるだろう。ただし、NYダウが前日の安値からの戻り部分を再び下げてくるようだと、日経平均の16000円割れは通過点になりやすい。週末要因もあって手掛けづらい状況である。

ただし、翌週には日本銀行の金融政策決定会合が控えている。安倍首相の側近は、世界的な市場の混乱が「アベノミクス」の支障となる恐れがあるため、日銀は来週の金融政策決定会合で追加緩和すべきとの見方を示したとの報道が伝えられている。緩和政策への期待が売り込みづらくさせる可能性はありそう。

その他、日本電産<6594>が決算を発表。通期計画は据え置かれたが、240億円上限の自社株取得枠設定を発表している。株価の下落基調が続く中で、自社株買いといった動きが相次ぐ可能性がある。これがセンチメントを改善させてくる展開に期待したいところである。

《AK》

 提供:フィスコ

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