【経済】中国:貧富格差問題が深刻化、「社会の富」の3割を上位1%が握る
北京大学の社会科学調査センターはこのほど発表したリポート「中国民生発展報告」で、貧富格差の問題は中国で日増しに深刻化していると現状を指摘した。
リポートでは「中国社会の富の約3分の1を、上位1%の富裕家庭が握っている」と紹介。その一方、「社会の底辺にある家庭の約25%が持つ富は、中国社会の富のわずか1%にとどまる」とのデータも示した。
こうした状況についてある研究者は、「中国政府は直ちに透明な財政システムを構築し、有効な制度改革を始めるべきだ」と提言している。
中国の「ジニ係数」は1980年代初めに0.3程度だったが、足元で0.45を超えた。
ジニ係数とは、所得分配の不平等さ(富の偏在性)を表す指標。イタリア統計学者のコッラド・ジニ氏らが1936年、ローレンツ曲線をもとに考案、発表した。係数の分布範囲は0~1で、「1」に接近するほど格差が大きい状態(=不平等)を意味する。一般にデモや暴動などが増加し社会が不安定になる警戒ラインは「0.4」とされている。
【亜州IR】
《ZN》
提供:フィスコ