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【市況】矢口 新のマーケット羅針盤 「不透明な時代こそ短期トレードを!」


●金融市場を巡る不透明要素が増加

 明けましておめでとうございます。

 写真で見る2015年は重い1年だった。私は神道と仏教、というより、ご先祖様を敬うという、信仰心は篤いが、特定の神を持たない、ごく一般の日本人だが、小学生の頃から、日本の神話、ギリシャ神話、北欧神話、キリスト教の旧約聖書などを読んでいた、妙な子供だった。神社やお寺の境内は遊び場だった。

 近年の地球温暖化や自然災害は、バベルの塔や、ノアの箱舟を思い起こさせ、厭な気分だ。シリアからの難民も、出エジプト記に全く似ていなくもない。

 2016年は、金融市場をみても不透明な要素は多い。地政学的リスク。米大統領選挙。日本でも参院選がある。中国元の動向。商品相場。新興国市場。ベネズエラなどの債務国の動向。ジャンク債市場などなどだ。中国企業の社債も債務不履行が増加する見通しだ。

●良い年にする意思が重要

 世界の金融市場では、カネ余りに不透明感と米利上げを反映し、米国の1年以内の短期金利商品に資金が滞留することが考えられるが、世界的に業績見通しの良い株式が買われ、商品相場が底打ちすることもあるかと思う。

 いずれにせよ、長期投資は今見ているものが正しく、その環境が中長期的に継続して初めて利益が出る。しかし、その利益は短期波動の山越えを売り、谷越えを買うことには遠く及ばない。特に、不透明な時代には短期トレードが最も効率的な運用となると言える。(参照:「みんなの外為」矢口新コラム「2016年は、ぜひ、短期トレードに挑戦を!」)。

 良い年を祈る気持ちは大切だと思うが、良い年にする意志も同じように重要だ。還暦を過ぎての私の発見は、人は相当の年齢になっても、運動能力ですら向上するということだ。ましてや知的能力に関しては、人はその限界を知るまでに寿命が来るのかも知れないと思っている。

 今年もヨロシク!

2016年1月5日 記

矢口 新(やぐち あらた)
アストリー&ピアス、野村證券、グリニッジ・キャピタル・マーケッツ、ソロモン・ブラザーズ、スイス・ユニオン銀行などで為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤める。2002年5月株式会社ディーラーズ・ウェブ創業。2013年4月まで同社代表取締役社長。JTI(Japan Trading Intelligence)初代(2003-7年)代表。

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