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2015年12月08日18時21分

【特集】メディシス Research Memo(4):ネットワーク加盟店舗が順調に増加、昨年の落ち込みを取り戻す


■業績動向

(2)事業セグメント別の動向

○医薬品等ネットワーク事業
医薬品等ネットワーク事業の売上高は前年同期比11.4%増の1,507百万円、営業利益は同14.5%増の843百万円となった。システム販売が減少したものの、利益率の高い受発注手数料収入が加盟件数の増加に伴う医薬品発注取扱高の増加により、前年同期比20.7%増の905百万円と好調に推移したことが増益要因となった。

2015年9月末の加盟店舗数は前年同期末比227店舗増の1,280店舗と22%増加し、発注取扱高も前年同期比29.6%増の57,609百万円と大幅増となった。前年同期は2014年8月に大口先1社(230店舗)が正式脱退した影響で取扱高が落ち込んだが、再び拡大基調に転じている。

加盟件数が増加している要因としては、中小・中堅規模の調剤薬局の経営環境が年々厳しくなってきており、メディカルシステムネットワーク<4350>のネットワークサービスに加盟するメリットが強くなってきていることに加え、2015年1月に芙蓉総合リース<8424>と業務提携し、新たに医薬品仕入代金立替払サービスを開始した効果も大きい。同社の医薬品ネットワークサービスへの加盟条件は、医薬品仕入代金の支払期間を2ヶ月と定めている。中小規模の薬局は支払期間3ヶ月以上のところが多く、加盟するにあたって支払期間の短縮による一時的な費用負担が重荷となっていた。医薬品仕入代金立替払サービスは、芙蓉総合リースが顧客に代わって加盟時の初回月分の医薬品仕入代金を一括支払いし、顧客はその後分割で立替え分を支払うスキームとなっており、従来よりも加盟に対するハードルが低くなっている。2月のサービス開始以降、10月23日までに同サービスを活用した加盟申込み受付件数は14法人、81店舗となっている。

○調剤薬局事業
調剤薬局事業の売上高は前年同期比15.2%増の39,235百万円、営業利益は同72.4%増の1,402百万円と大幅増収増益となった。9月末の店舗数が前年同期末比17店舗増の348店舗に拡大し、処方箋枚数が前年同期比8.7%増加したほか、後発医薬品の利用促進や在宅業務の推進など処方箋単価の引き上げにつながる取り組みを積極的に行ったことで、既存店の処方箋単価が同6.1%上昇したことが2ケタ増収につながった。既存店ベースの調剤報酬(売上高)は同7.3%増となっている。

後発医薬品調剤体制加算取得店舗数は9月末で281店舗と全店舗の80.7%を占め、その中身も加算点の大きい65%以上の取扱店舗の比率が49.1%(前年同期末は35.0%)と上昇した。また、特定医療機関の集中率や在宅、24時間調剤対応などを基準要件として定められている基準調剤加算取得店舗数についても、加算点の大きい基準調剤加算2の取得店舗比率が28.4%(前年同期末は18.7%)に上昇し、処方箋単価の上昇に寄与している。

営業利益の増益要因は、処方箋単価の上昇や適正な人員配置に伴う既存店の収益拡大に加えて、前期にM&Aで取得した店舗の収益貢献、不採算店舗の閉鎖(4店舗)、業務の効率化や待ち時間の削減による処方箋応需枚数の増加などが挙げられる。子会社別で見ると、本州エリアを管轄する(株)サンメディック、(株)共栄ファーマシー、(株)シー・アール・メディカルの3社の業績改善が目立った。シー・アール・メディカルについては比較的小規模店舗が多いこともあり、収益性が低くなっているが、今後も業務効率の改善などを進めていくことで収益性の向上は可能とみられる。

なお、同社は2015年6月に首都圏を中心に約150店舗の保険薬局を展開している薬樹(株)と業務提携を発表した。提携内容は薬剤師等の教育研修プログラムの共催、相互乗り入れ、災害時における相互協力体制、両社の経営効率化のための共同取組みとなる。特に、地域包括ケアシステムの整備が今後進むなかで、薬剤師が果たすべき役割も今まで以上に大きくなることが予想され、薬剤師の教育研修によるスキルアップがより重要になってくる。薬樹は薬剤師の育成カリキュラムにおいて先進的に取り組んでいる企業であり、薬剤師の教育研修や新人研修などの共催、相互乗り入れなどによるスキルアップを図っていく。

また、経営効率化に関する取り組みとしては、同社のデッドストックエクスチェンジサービスに2015年10月より薬樹が参加し、医薬品の廃棄ロスの削減等に取り組んでいく。

○賃貸・設備関連事業
賃貸・設備関連事業の売上高は前年同期比117.5%増の1,556百万円、営業利益は211百万円(前年同期は21百万円の損失)となった。販売用不動産の売却により242百万円の売却益を計上したこと、2013年5月に開業したサービス付き高齢者向け住宅「ウィステリア清田」(札幌市清田区)の入居契約数が、9月末時点で全75戸中65戸と前期末の60戸から順調に増加したことが収益改善要因となった。なお、不動産売却益を除くとまだ赤字であるが、これは2015年12月入居開始の「ウィステリア小樽稲穂」及び2016年5月入居開始予定の「ウィステリア千里中央」の費用が先行していることによる。

○給食事業、その他事業
子会社のTMSで展開している給食事業は、売上高が前年同期比13.5%増の1,098百万円、営業損失が24百万円(前年同期は6百万円の損失)となった。病院・福祉施設等の新規受託に伴い増収となったが、先行投資負担増により利益面では若干の損失となっている。

また、その他事業(治験施設支援業務)は、新規案件が減少したことから売上高は前年同期比19.1%減の74百万円、営業損失が59百万円(前年同期は37百万円の損失)となった。なお、5月に資本業務提携を結んだ同業大手の綜合臨床ホールディングス<2399>との提携効果(顧客案件の紹介など経営資源・ノウハウの相互有効活用による事業効率の向上)はまだ出ていない。綜合臨床ホールディングスがEPSホールディングス<4282>との経営統合(2016年1月)を発表したが、現在の提携関係は継続していく見通しだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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