【特集】3Dマトリックス Research Memo(2):第1四半期はほぼ計画どおりに進捗、止血材の販売がドイツでスタート
■業績動向
(1) 2016年4月期第1四半期の業績概要
スリー・ディー・マトリックス<7777>の9月7日付で発表された2016年4月期第1四半期の連結業績は、事業収益が46百万円、営業損失が519百万円となり、ほぼ会社計画どおりの進捗となった。
事業収益としては、主に止血材の欧州、香港における販売で15百万円、韓国のDaewoong Pharmaceutical社(以下、デウン社)とのASEAN地域(タイ、ベトナム、フィリピン)における止血材の独占販売権許諾及び、インドネシアでの非独占販売権許諾に伴う契約一時金収入で30百万円を計上した。
売上原価が45百万円と想定よりもやや大きくなったが、これは量産初期段階における立ち上げコストが想定以上にかかったことによる一時的な要因とみられる。海外拠点の拡充を進めるなど海外事業の拡大により、研究開発費や販管費が増加したことで、営業損失は前年同期の438百万円から519百万円と若干拡大した。また、営業外で海外子会社が保有する外貨建て資産等の評価替えに伴う為替差益が43百万円発生(前年同期比39百万円増)したことで、経常損失は476百万円とほぼ前年同期並みとなった。前年同期は特別損失として、訴訟和解金として160百万円の特別損失を計上したが、当四半期では特別利益として新株予約権戻入益24百万円を計上しており、この結果、四半期純損失は452百万円と前年同期の634百万円から縮小した。
当第1四半期の動向としては、止血材の販売がドイツで新たにスタートしている。代理店は現在、主に英国、ドイツ、スイス、香港で契約しており、これら代理店を通じて今後、医療施設への販売拡大を目指していく。また、7月にはコロンビアで止血材の医療機器製品登録承認を取得し、第2四半期以降、現地代理店を通じて販売を開始する予定となっている。
その他の開発パイプラインとしては、歯槽骨再建材の米国での第2段階目の治験が開始され、症例数として数症例の治験が実施されたほか、新規siRNA核酸製剤「TDM-812」を用いた国立がん研究センターによるトリプルネガティブ乳がん患者を対象とした医師主導の第1相治験が6月より開始されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《HN》
提供:フィスコ