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【特集】明光ネット Research Memo(1):明光義塾の生徒数が前年同期比プラスに転換、再成長へ


7月10日付で発表された明光ネットワークジャパン<4668>の2015年8月期の第3四半期(2014年9月-2015年5月)の連結業績は、売上高が前年同期比19.0%増の13,102百万円、営業利益が同2.1%増の2,135百万円とほぼ計画通りに推移した。明光義塾最大のフランチャイジーであるMAXISエデュケーション(以下MAXIS)の子会社化により、売上高では2ケタ増収となったが、同影響を除けばその他事業の先行投資負担増もあり、業績はほぼ前年同期並みの水準であった。ただ、ここ数年減少傾向が続いていた明光義塾の生徒数が、5月末で前年同期比0.4%増と7四半期ぶりにプラスに転じるなど、再成長に向けて取り組んできた施策の効果が徐々に出始めてきたことは注目されよう。

その他事業では旺盛な学童保育需要を背景に、新たに3スクールを開設した明光キッズ事業が順調に伸びているほか、サッカースクールや早稲田アカデミー個別進学館、新たに子会社化した早稲田EDUの日本語学校などいずれも堅調に推移した。

2015年8月期の連結業績は、売上高が前期比24.8%増の19,420百万円、営業利益が同2.5%増の3,500百万円と期初計画を据え置いている。個別指導塾市場の競争激化は続いているものの、直営、FC一体となったエリア戦略や、明光サポートセンターでのCS向上の取り組み強化などにより、明光義塾事業の再成長に向けた基盤固めを進めていく。また、新たに台湾での個別指導塾を現地企業と合弁で進めていくことを6月に発表している。海外では韓国で個別指導塾を、シンガポールで在留邦人向けの幼稚園を運営しており、3ヶ国目の進出となり、今後の動向が注目される。

2015年8月期の1株当たり配当金は前期比2.0円増配の34.0円(配当性向41.5%)と連続増配を予定しており、今後も段階的に配当性向50%まで引き上げる方針を打ち出している。株主優待制度(8月末時点で100株以上保有の株主に対して一律3,000円相当のQUOカード贈呈)と合わせた総投資利回りは、7月17日時点の株価(1,400円)を基準にすると4%台と、上場企業平均の配当利回り(約1.5%)を大きく超える水準となり、株主還元に積極的な企業として評価される。

■Check Point
・第3四半期はMAXISの子会社化効果などで増収増益
・通期は明光義塾直営事業がけん引して2ケタ増収を見込む
・15年8月期は上場以来の連続増配を予想、総投資利回りは4%台

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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