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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】


「決算通過後の銘柄から選別!」

text.北浜流一郎 (株式アドバイザー)

●評価できる逆風下の月足陽線

 終わったばかりの7月相場は結局、日経平均の月足チャートが小幅陽線となった。これはかなり高く評価できる。

 7月はギリシャの債務返済問題と上海市場のバブル崩壊懸念。これら特大の心配材料の直撃を受けたのだ。それを考えると、陽線で終われただけでも大健闘したことになる。背景にあるのは、やはり企業収益の向上。日々発表される4-6月期決算は総じて増収増益予想だ。

 だが、それらの株価は必ずしも上昇するとは限らない。すでに株価が上昇していた場合、好決算は株価に織り込まれていたとの理由で売られてしまう。

 そして、もう一つ恐いのが、収益好調でも今期の予想を上方修正しなかったとの理由で売られてしまうケース。株は常に意外性を求めるため、失望して売りの対象になってしまうことがある。これなど正直、対応のしようがない。業績に問題ないと安心して持続すると売られて下げてしまうからだ。

 四半期決算の発表が相次ぐこの時期は、理不尽ともいえるようなこの種のイレギュラーな動きがしょっ中なので、対応策としては、(1)好業績が予想されている銘柄でも、株価がすでに上げていたら売っておく。(2)前々から収益の悪化が予想されていて、特に改善の話しも聞いていない。こんな銘柄も売っておく。

 こんな対応が求められる。でないと、後者の場合など見るも無残な下げになる。直近の例ではファナック <6954> 、OLC <4661> などがある。

 一方、日本調剤 <3341> のように株価がこのところ調整色を強めていた銘柄は、4-6月期連結経常利益が前年同期比2.5倍の18.9億円に急拡大したと分かり、株価は値を飛ばした(同社株の場合、9月30日割当で1→2の株式分割という支援材料もあった)。

●売り込まれた銘柄にもチャンス

 このような状況での投資は、4-6月期決算の発表がすでに終わり、予測困難な攪乱要因が少なくなった銘柄を対象にするのが安全度が高い。具体的には次のような銘柄がある。

 まずは大きく売り込まれた銘柄の中から日本M&A <2127> がある。今期予想が据え置かれたことに失望して売られた。ここで拾っておきたい。同じく据え置きでサプライズがなかったとして売られた一休 <2450> も押し目買いに適した水準にあるといえる。

 少し上方修正されたものの、大手証券の投資判断引き下げによって急落したニチレイ <2871> もこれまで買い遅れていた人にとっては買いチャンスが与えられた格好。見逃さないようにしたい。

 以上のほか、小型株ではジャスダック銘柄、夢の街創造 <2484> [JQ]が魅力的だ。

2015年7月31日 記

●北浜 流一郎(株式アドバイザー)
慶応大学商学部中退後、コピーライター、週刊誌記者、作家業を経て株式アドバイザーへ。マネー誌、証券紙などの株式欄を担当し、ラジオ番組でも活躍。

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