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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~抵抗レベルでのこう着感の強い相場展開は続きそう


7日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・抵抗レベルでのこう着感の強い相場展開は続きそう
・ドル・円は122円66銭付近、ギリシャ情勢や中国株にらみの展開
・原油市況の大幅下落で、原油安メリット銘柄などに関心


■抵抗レベルでのこう着感の強い相場展開は続きそう

日経平均は大幅反発。272.67円高の20384.79円(出来高概算11億3000万株)で前場の取引を終えた。ギリシャのユーロ圏離脱懸念の拡大を受けた世界株安が警戒されていたが、連休明けのNYダウは46ドル安と小幅な下げにとどまっていた。海外の下げが想定ほど大きくなかったこともあり、自律反発の展開に。

20300円を回復して始まった日経平均は、寄り付き直後に20400円台を回復する局面をみせた。ただし、今晩開催されるユーロ圏首脳会議などギリシャ協議を見極めたいムードは強く、日経平均は20400円前後でのこう着が続いている。

セクターでは鉱業が冴えないほかは、電力ガス、パルプ紙、保険、水産農林、空運、海運、医薬品、小売などの強さが目立つ。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1600を超えており、全体の8割を占めている。

日経平均はギャップ・アップで始まった後は、5日、25日線が位置する20400円近辺でのこう着が続いている。一目均衡表では転換線、基準線に上値を抑えられている格好である。ギリシャについては不安感が和らいだ訳ではなく、ここから一気に上値を買い上がる流れにはなりづらいであろう。また、メルケル首相はユーロ圏首脳会議でギリシャの新しい提案を検討したいという考えを示している。しかし、意見がまとまるかは不透明な状況であり、こう着感の強い相場展開は続きそうである。

物色の流れとしては、原油安を背景に鉱業が弱い半面、電力ガス、パルプ紙、空運、海運といった原油安メリットセクターがしっかり。ただ、あくまでも短期的な流れとみられるため、大引けにかけてのポジション調整の動きには注意しておきたい。また、上海指数は直近安値水準での推移をみせている。安値を更新してくるようだと、インバウンド関連への重石になりそうだ。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は122円66銭付近、ギリシャ情勢や中国株にらみの展開

ドル・円は122円66銭付近で推移。ギリシャ問題の不透明感が強まっているが、各国の対応が動き出したことで金融市場に大きな混乱はみられない。金融当局の対応や不安定な値動きを示す上海株をにらみながらの相場展開となっている。

東京市場のドル・円は122円半ばで寄り付き、日経平均株価の上昇とともにじりじり値を上げた。仲値にかけて国内実需筋や輸入企業の買いが入ったと観測され、一時122円81銭に上昇した。

ただ、当局の株価対策を受け上海株が前日の取引ではプラス圏で推移したものの、きょうは再び大きく売られるなど、不安定な値動きを示していることから、ドル・円の買いも一服、その後は様子見となっている。

12時23分時点のドル・円は122円66銭、ユーロ・円は135円29銭、ポンド・円は191円19銭、豪ドル・円は91円67銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 小瀬正毅)


■後場のチェック銘柄

・ファーストリテ<9983>は3日ぶりに反発、日経平均を約41円押し上げ
・原油市況の大幅下落で、原油安メリット銘柄などに関心
・監視カメラ関連などにテーマ物色の余地


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・12:45 10年物価連動国債の価格競争入札の結果発表

<海外>
・13:30 豪準備銀行が政策金利発表(2.00%で現状維持の予想)
・14:45 スイス・6月失業率(予想:3.1%、5月:3.2%)
・15:00 独・5月鉱工業生産(前月比予想:+0.1%、4月:+0.9%)

《SY》

 提供:フィスコ

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