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【材料】日本カーボン---炭化ケイ素繊維に改めて注目の集まる展開


日本カーボン<5302>は製鋼用電気炉向けの人造黒鉛電極の工業化に国内で初めて成功。そのほか、各種炭素繊維製品、特殊炭素製品、リチウムイオン電池向けの負極材など炭素製品関連事業を手掛ける。

2015年12月期は売上高で前期比6.2%増の314.0億円、経常利益で同44.8%増の22.0億円が見込まれている。第1四半期は売上高64.39億円(前年同期比1.5%減)、経常利益3.75億円(前年同期は1.7億円の赤字)となっており、利益面で好スタートを切っている。

同社の炭化ケイ素繊維は従来の航空エンジン部品に使われていたものと比べて、重さが3分の1、耐熱温度が20%アップ、強度が2倍となるもよう。「耐熱合金の世界を一気に叩き壊すかもしれないほどのインパクト」などといった評価の声も伝わっている。なお、炭化ケイ素繊維をつくれるのは世界で同社と宇部興産<4208>だけで、改めて同社の注目度が高まる展開が想定される。

同社の炭化ケイ素繊維が使われたエンジン「LEAP」は他の新技術の貢献もあり燃費を15%以上削減。今年中に運航を始める欧州エアバスの次期小型機と、2017年に初飛行を迎える米ボーイングの次期小型機の両方への搭載が決まっている。2034年には世界で運航される航空機は3万8千機に倍増するとみられ、同社の技術が活躍する場はますます広がることが予想される。

《SF》

 提供:フィスコ

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