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【市況】30日の香港市場概況:香港ハンセン指数は上昇、国内外の環境改善を好感


30日の香港市場は上昇。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比368.92ポイント(1.51%)高の24855.12ポイントと3日ぶり、本土企業株で構成されるH株指数が408.47ポイント(3.43%)高の12306.56ポイントと5日ぶりにそれぞれ反発した。売買代金は1408億200万香港ドル(27日は778億7900万香港ドル)の大商い。1400億香港ドル台に膨らんだのは、昨年12月9日以来となっている。

内外環境の安定で買われる流れ。先週末の米株高が好感されたほか、中国の金融緩和期待がプラス材料となった。人民銀行(中央銀行)の周小川・総裁が29日、同日閉幕した博鰲(ボアオ)アジアフォーラムの席上で、「中国は金融政策に調整の余地がまだある。デフレリスクを見極めながら、一段の利下げを含む政策調整も視野に入れる」と述べたことが支援材料となっている。

また、同フォーラムで「一帯一路」(シルクロード経済帯と21世紀海上シルクロード)構想の行動計画も示されるなか、経済効果は2015年だけで約4000億人民元に上り、国内GDPをおよそ0.2ポイント押し上げる見通しと報じられたことも刺激材料。

ハンセン指数の構成銘柄では、取引所を運営する香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が7.9%高と急伸。上海と香港の「相互乗り入れ」(両株式市場の相互取引開放)スキームを利用した商いが活況を呈するなか、市場活性化で業績が拡大するとみられた。時価総額上位のエネルギー株や本土系金融株も軒並み買われている。

「一帯一路」を手がかりにした物色も目立つ。各種プロジェクト投資が活発化するとの期待で、鉄道インフラ建設の中国中鉄(390/HK)が19.6%高、同業の中国鉄建(1186/HK)が18.7%高、建機の中聯重科(1157/HK)が9.9%高と買い進まれた。同じ材料で海運・港湾株も高い。中海集装箱運輸(2866/HK)が11.5%、中海発展(1138/HK)が10.6%、大連港(2880/HK)が17.4%、廈門国際港務(3378/HK)が8.9%ずつ値を上げた。

発電設備の関連銘柄も急伸。上海電気集団(2727/HK)が17.6%、東方電気(1072/HK)が6.8%、ハルビン動力設備(1133/HK)が4.3%ずつ上昇した。年内に4号基が稼働する紅沿河発電所で29日、5号基の建設が正式に着工されたことが材料視されている。今年は原子炉7~8基の着工が見込まれていることから、業績拡大が連想された。

【亜州IR】

《KO》

 提供:フィスコ

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