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【市況】日経平均は連日で約15年ぶり高値更新、円対ドルで反落。値嵩銘柄の上げ膨らむ

◆日経平均株価は前日比12円15銭高の1万8797円94銭と小幅ながら6日続伸し連日で約15年ぶり高値を更新した。25日の欧州市場では主要国の国債利回りが低下しドイツDAX指数が6日連続で昨年来高値を更新し他の主要株式市場も反発。しかし、米国市場では堅調な景気指標発表を受け利下げ先送り観測が後退し国債利回りは2%台回復、NYダウは3日ぶりに最高値から反落しSP500種指数は最高値から続落。ただ、NASDAQ指数は2日ぶりに最高値を更新した。東京市場では、外為市場で円が対ユーロでは大幅続伸となったものの、米利下げ先送り観測が後退したことを受け対ドルで反落したことから、その他製造、電気機器、機械、ガラス土石など輸出関連セクターや1位となったその他金融や証券・商品先物、保険、銀行など金融関連が続伸した。一方、値下がり率1位には直近人気だった資源関連がNY原油先物の1月29日以来ほぼ1ヵ月ぶり低水準への急反落から一転1.84%の3日ぶり大幅反落で入り、石油・石炭は9位0.45%の4日ぶり反落。2位不動産1.18%、3位水産・農林業0.86%。
◆個別銘柄では値嵩株の上げが目立ち、売買単価は1359円と久々の高水準に上昇した。今週5日間とも1000円を超え、1000円超がほぼ常態化しつつある。値がり率上位には1位エンシュウ <6218> 15円(13.4%)高の127円、2位巴川紙 <3878> 11.2%高の282円、7位日本駐車場 <2353> 7.5%高の143円と低位株があったものの、上位30位では、4位日本調剤 <3341> 8.52%高の4905円、5位リョーサン <8140> 8.38%高の3040円、6位ゲンキー <2772> 8.08%の大幅反発。11位サイバー <4751> 6.20%高6170円、12位ABCマート <2670> 5.99%高6720円、13位クックパッド <2193> 5.93%高4825円、14位シスメックス <6869> 5.77%高6420円、16位日本取引所 <8697> 5.64%高3370円、20位ディップ <2379> 5.26%高の5600円と3000円超が9銘柄を占めた。そして、HD化後最高値1万4340円を付けた明治HD <2269> は5.24%21位で続き、オリックス <8591> 、ピーエスシー <3649> が30位内に入り、計12銘柄を3000円超の銘柄群が占めた。
◆そんななか、シマノ <7309> は前日比610円(3.53%)高の1万8000円と高値引けとなり、3日連続で上場来高値を更新した。1980年代のバブル期、筆者はマウンテンバイク派だった。同社は欧州ロードレースなどで名を馳せてたものの証券市場では?という存在感だった。しかし、1年後には、日本でもサイクルレース時代入りとともに認知度が高まり、業容拡大し4ケタ相場入り。その後も株価成長は続き、今月10日発表の前14年12月期連結決算は、売上高が前期比22.9%増の3331億円、経常利益49.4%増の710億円と3期連続で過去最高更新、1株利益は552.7円(前の期は378.5円)と大幅に伸張。今期は1ケタ台の増収増益予想と慎重見通し。しかし、主力の自転車部品は、サイクルレースが花形スポーツである欧州市場での販売好調に加え、中国などアジア新興市場での販売が伸び増収増益基調が続いている。もはや、新規に買いとはいえないが、90年11月5000円台乗せから12年まで続いた5000円台時代に蓄えた上昇エネルギーを持続するには、一段の業容拡大が不可欠。まだ、最初に買ったマウンテンバイクは駐車場の片隅で古びて眠っているが捨てる気にはなれない・・。■OLC <4661>、ファストリ(9983)など内需値嵩株が大幅上昇。一方、原油安を背景に利益確定売りされた鉱業が1.84%の3日ぶり急反落となり業種別値下がり率1位となり、日揮 <1963> や国際石開帝石 <1605> も1%超下げた。140.5と昨年11月25日以来の高水準となった25日141.4に迫った騰落レシオや25日移動平均線からの上方乖離率が4.7%と拡大したテクニカル的過熱感もあり週末控えから利益確定売りが上値を抑える格好となった。
(執筆者:熱田和雄 ストック・データバンク)

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