【経済】周大福が韓国カジノ市場に参入、ターゲットは中国人観光客
香港富豪の鄭裕トウ氏が率いる投資持ち株会社、周大福企業が韓国のカジノ市場に参入する。仁川国際空港が位置する永宗島(ヨンジョンド)で建設予定のカジノ複合リゾート開発事業に、26億米ドル(約3090億円)を投じる計画だ。仁川国際空港は北京や上海から空路で約2時間の距離にある。増加する中国人観光客を取り込む狙いという。中国メディアが25日、外電報道を引用して報じた。
外国人観光客の誘致に向け、韓国政府はカジノやホテル、ショッピングモールなどを併設した複合リゾートの開発を積極的に進めている。昨年11月には、地元カジノ最大手パラダイスグループと日本のセガサミーホールディングス(6460/東証)の合弁によるカジノ複合リゾート開発が着工した。
周大福はこのほか、豪ブリスベンのリゾート開発権取得を計画している。地元カジノ運営会社のエコー・エンターテインメント・グループ、香港不動産デベロッパーの遠東発展(35/HK)とコンソーシアムを組み、落札を目指す方針だ。入札の結果は今年半ばにも明らかになる見通しという。
傘下の周大福珠宝(1929/HK)が手がける宝飾品事業が苦戦するなか、周大福企業は新たな収益源を確保する考えとみられている。周大福珠宝によると、14年10~12月期の売上高は前年同期比で10%減少。うち主力の香港・マカオでは、16%減収と振るわなかった。域内景気の鈍化や中国人観光客の伸び悩みなどを背景に、宝飾品の消費低迷が目立っている。
【亜州IR】
《ZN》
提供:フィスコ