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【経済】NYの視点:ドルが上昇しやすい環境


一部の米連邦準備制度理事会(FRB)高官は3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で金利に関するフォワードガイダンスの「辛抱強い」との文言を「削除すべき」との見方を強めているようだ。ブラード・セントルイス連銀総裁(2015年FOMC投票権なし)は「1月のコア消費者物価指数(CPI)はインフレ上昇への自信を増強する」とイエレンFRB議長が提示した利上げへの条件を満たしつつあるとの見解を示した。イエレンFRB議長は金融政策および経済に関する半年に一度の議会証言において利上げの条件として「インフレが2%近くに上昇するとの自信が必要」と述べている。

米労働省が発表した1月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.7%低下と、予想の0.6%低下を下回り景気後退時2008年12月来で最低となった。前年比では0.1%低下と、2009年10月来で最低。しかし、変動の激しい食料品・燃料を除いたコアCPIは前月比0.2%上昇と、予想の0.1%上昇を上回り昨年10月来の高水準となった。前年比でも1.6%上昇と予想通り昨年12月と同水準にとどまった。

2015年度のFOMC投票権を有しているウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁も指標次第だが、最初の利上げが本年の夏か秋に開始する可能性に言及。2つの責務である完全雇用、2%のインフレ目標を達成する前に緩和策をいくらか解除し始める必要があると指摘した。投票権はないが、フィッシャー米ダラス連銀総裁も「引き締めを早く始めて、ゆっくり進めることが好ましい」としたほか、メスター・クリーブランド連銀総裁も「利上げに関し6月の会合で協議することを支持する」と述べている。

また、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した1月連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録を受けて連邦準備制度理事会(FRB)でさえ「通貨戦争に参戦か」との懸念も浮上したがブラード・セントルイス連銀総裁は、「ドル相場の米国経済への影響はわずか」と懸念を一掃した。欧州中央銀行(ECB)が3月から実施する資産購入もユーロ売り・ドル買いに拍車をかけると思われ、ドルが再び上昇しやすい環境が整いつつあるのかもしれない。

《KO》

 提供:フィスコ

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