【市況】HSBCの通期は税引前利益17%減、引当金計上響く
金融大手グループのHSBC(5/HK)は23日引け後、14年12月期(本決算)の業績を発表し、報告ベースの税引前利益が前年比17.0%減の186億8000万米ドルに低迷したと報告した。外国為替市場の不正操作問題に絡む和解金や英国顧客への補償金などがかさむ。合計37億米ドルの引当金を計上した。これらが響いて、市場予想を下回る水準にとどまっている。
コスト増大も利益を圧迫。営業総費用は7.0%増の412億4900万米ドルに膨らんだ。実質ベースの税引前利益は0.7%減の228億2900万米ドルに縮小している。
一般企業の売上高に相当する経常収益は、前年比7.8%増の429億4900万香港ドル(前年比7.8%増)、純利益は4.8%減の745億9300万米ドルに落ち込んだ。四半期配当は、1株当たり0.2米ドルを予定している。
このほか、2016年まで3年間の中期経営目標については、足元で「1勝2敗」という結果。HSBCは16年までに、コスト効率比率(経常収益に占める経常費用の比率)を50~60%に引き下げるほか、ROE12~15%、普通株Tier1比率10%超を目指す方針を示している。14年の実績はそれぞれ67.3%(前年比↑7.7ポイント)、7.3%(↓1.9ポイント)、10.9%(↑0.1ポイント)だった。
【亜州IR】
《ZN》
提供:フィスコ