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【特集】<話題の焦点>=強い食品関連株、逆風環境のはずが好業績相次ぐ

 食品関連株といえば、ひと昔前はディフェンシブストックに位置付けられ、全般相場が軟調な時も相対的に底堅さを発揮するセクターとの見方が主流だった。裏を返せば、全体相場上昇時の牽引役を担うのは高成長企業がひしめくハイテクセクターであって、ともすれば食品関連は、そうした強調相場で蚊帳の外に置かれることもしばしばだった。

 ところが最近は少々事情が違っている。企業間格差はあるが、好業績を背景に極めてアクティブに上値を追う銘柄が相次ぎ、1部上場の老舗企業であっても新興市場の小型株と見紛うほどのパフォーマンスを披露する銘柄も珍しくない。代表例として明治ホールディングス<2269>のここ2年間の株価軌跡をみればうなずけるだろう。株価は2013年1月から直近高値まで何と3倍以上に化けている。時価総額も足もと1兆円を超えた。食品関連企業にとって消費増税に加え原材料の高騰、さらに円安も輸入コストや製造コストの上昇につながる。しかし、そうした逆風をものともせず株高を続けるには相応の理由がある。

 それは、海外で稼ぐ企業が増えていることが一つ。内需ではなくグローバルに儲ける構図が利益成長を支えている。また、食品関連企業は大手ほどROE経営に前向きなところが多く、これも機関投資家が食指を動かす背景だ。強力な看板商品を持つ企業は販促費を抑えても売り上げが伸びるという好循環も享受している。このほか、株式需給面では個人などの短期資金が絡みにくく、信用買い残の重荷から解放されているという利点もある。

◆成長路線走る老舗の食品株

 銘柄<コード>   今期営業増益率    株価

森永菓<2201>     11.5      353
明治HD<2269>    13.7   1万3620
日ハム<2282>     28.9     2687
キッコマン<2801>    3.6     3255
キユーピー<2809>    4.8     2750

※株価は13日終値(単位:%、円)


出所:株経通信(株式会社みんかぶ)

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