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【特集】【中国の視点】ロシア国内で経済を報道しなくなる、デフォルトが間近か


今年に入ってからロシア国内のメディアがロシア経済について報道しなくなっている。原油価格と通貨ルーブルの同時安の進行を受け、同国経済が数週間以内で急速に回復する可能性がほぼ「ゼロ」に等しいと指摘され、ロシアのデフォルト(債務不履行)が予想以上に早く訪れる恐れがあるとのうわさが広がっている。

ロシア国内では、手持ちのルーブルを米ドルに両替する国民の動きが継続している。プーチン大統領がロシア富豪たちに対し、海外にある資産をロシア国内に戻すよう呼びかけたが、効果は薄い。また、利上げを通じてルーブルの下落を止めるなど伝統的な金融政策も行き詰っている。

世界同時不況が起きた2008年の翌年となる09年のロシア成長率はマイナス7.80%まで落ち込んだが、公共投資の拡大や企業への援助などを通じてロシア経済が立ち直った。ただ、ロシアの外貨準備高は4年前に比べて大幅に減少しているほか、現在の外貨準備高の水準では1年半の延命しかできないと試算されている。

中国の専門家は、ロシア中央銀行の機能がしなくなっていると指摘。市中銀行にいくら流動性を供給しても為替市場に流入しているだけで、結局ルーブル安の進行を加速させていると指摘。現時点では、金融政策や財政支出だけではロシア経済を救えないとの見方。ロシアを救えるのは構造改革や市場経済の力を発揮することだと提言した。

なお、ルーブル安を食い止めるため、ロシア中銀は2014年に計800億米ドルのルーブル買い・ドル売り介入を実施した。14年通期でロシア国内から流出した資金は1515億米ドルに上ったと報告された。また、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスや、フィッチ・レーティングス、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の3社は相次いでロシア国債の格付けを引き下げていた。
《ZN》

 提供:フィスコ

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